離婚と税金

離婚件数は年々減少傾向

 離婚とは、夫婦が法律上成立している婚姻関係を解消することを言います。近年離婚件数は増えていると思う方がいらっしゃるかもしれませんが、実は2013年の離婚件数が約23.1万件、2020年には20万件を切り、2022年は約17.9万件と年々減少傾向にあります。ただ、婚姻件数も減っており、2013年には約66.1万件、2022年は約50.5万件とのことです。

 今回は離婚と税との関係について、基本的な部分をご紹介したいと思います。

慰謝料や財産分与と税金

 離婚の際の慰謝料とは、有責側が相手方の離婚によって被る精神的苦痛に対して支払うお金のことです。慰謝料は非課税となりますから、税金は発生しません。

 財産分与とは、離婚をしたとき相手方の請求に基づいて財産を渡すことです。離婚により相手方から財産をもらった場合、通常贈与税がかかることはありません。ただし、分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多すぎる場合はその多すぎる部分に、離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認定された場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。

 また、財産分与が土地や建物などで行われたときは、分与した人には譲渡所得の課税が行われることになります。

養育費と扶養控除

 元妻が親権を持っている子の養育費を元夫が負担しているとき、同じ場所に暮らしていなくても、元夫が子の扶養控除を受けることができます。扶養控除については親権とは異なり「生計を一にしている」かどうかで判定しています。そのため、扶養義務の履行として支払われる場合や、子が成人に達するまでなど一定の年齢等に限って支払われる場合には、常に生活費等の送金が行われていると判定されるため、親権を持っていない側の扶養控除の対象にしてもかまいません。

 ただし、扶養控除を受けられるのは1人のみです。例えば子が1人のみで、元妻が扶養控除を受けている場合、元夫も扶養控除を受ける、ということはできません。

何も取り決めがない場合、先に扶養控除申告書を出した方が扶養控除を受けることになります。

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ふるさと納税のポイント付与が禁止へ

ついに寄附額は1兆円を超え

 個人のその年の所得・控除によって決まる控除上限金額以内の寄附であれば、自己負担が2,000円で返礼品が貰えるふるさと納税制度。総務省は全国の自治体が2023年度に受け入れたふるさと納税の寄附額が、初めて1兆円を超えたと発表しました。

 そんな増加傾向が続くふるさと納税制度ですが、2025年10月からは「ふるさと納税によるポイントの付与」が禁止されます。

ポイント追加付与がNG

 総務省が出している「ふるさと納税に係る指定制度の運用基準」により、2025年10月から禁止されるのは、ポータルサイト運営事業者等により寄付者に付与されるポイントです。

 クレジット会社やキャッシュレス決済事業者等の「通常の商取引に係る決済に伴って提供されるもの」については、ポイント付与はOKです。ただ、「このポータルサイトで寄附をしたら追加でポイント付与」や「寄附した際にサイト独自のポイントを付与」といった「ふるさと納税を行った特典」として付与されるポイントが禁止されます。

 今回禁止する理由については「ポイント付与をめぐる仲介サイト間の競争過熱」や「各自治体がサイト側に支払う手数料がポイントの原資に含まれていれば、自治体の手数料軽減が期待できる」等が挙げられていますが、報道によればポイント付与の原資については大手ポータルサイト各社が自社負担しており、「ポイントが実質的な金品の返礼となっていることを規制したい」というふるさと納税の健全化が本音でしょう。

まだまだ地殻変動が予想される

 ふるさと納税仲介サイトについては、来年アマゾンジャパンが参入するのではないかという報道もされています。アマゾンの高度な配送網等を背景に、自治体が支払う仲介手数料が低くなる可能性を示唆した営業が自治体に行われているようです。

 こうした制度改革や報道に「外資系企業にふるさと納税を仲介させて良いのか?」「手数料が下がって地域に寄附が多く行くなら歓迎」「そもそもふるさと納税には反対」等、様々な声が上がっています。ただ根本的に「お得感」がある以上、これからもふるさと納税制度は一定の支持を受けてゆくのではないでしょうか。

楽天はポイント付与の禁止に大反対しており、反対署名を募っています。

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