富裕者税総論補遺

富裕者税(ミニマムタックス)

(A)基準所得金額:(B)基準所得税額

令8年税=(A-3.3億円)×22.5%-B

令9年税=(A-1.65億円)×30%-B

 今年から富裕者税の申告が開始しました。

富裕者税では、所得総額が確定すると、源泉徴収や通常申告での負担税を差引くとしても、年間税負担総額(A-3.3億)×22.5%、(A-1.65億)×30%に、変動の余地がありません。この年間税負担総額算出過程には、所得控除のような個人的事情を配慮する要素が全くないからです。

所得控除欄記載に意味がなくなったのか

 所得控除して、税負担が減少しても、その減少分が富裕者税に置き替わるだけの所得税に対し、住民税は、従来通りで、富裕者税の影響を受けません。

 富裕者税対象者にとっては、申告書の所得控除欄は、住民税申告のために書く、ということになってしまいました。

ふるさと納税については

ふるさと納税は、実質負担額が2,000円で済む、という「ふるさと納税限度額」内での実行ということが一般的に行われています。

その試算のうち、所得税部分については、富裕者税対象者には、他の所得控除と同じく、減税効果がないことになります。

 住民税については、富裕者税の影響を受けないので、控除は可能です。

富裕者税対策

 冒頭の「(A)基準所得税」が決まると、富裕者税は身動きが取れません。この金額が決まる前に、この金額を減らす(一部の退職金化等)、分割繰延べをする(不動産売却を一度にしない、M&A売却会社を複数にする等々)、などの工夫が必要です。

基準所得税が3つある

 富裕者税の「税額計算書」記載例では、基準所得税の欄が2つあり、1つは、①申告書での復興税込みの所得税と申告不要所得の源泉所得税の合計です。もう1つは、②申告不要としない時の所得税に復興税を加算したものです。

 申告書にも、③基準所得税の欄があり、「税額計算書」の末尾の金額の転記先です。

①は仮、②が正規、③は便宜です。

復興税は所得税

 所得税としての富裕者税の計算では、復興税がまとわりついています。復興税措置法では、復興税は所得税だとのたくさんの読替規程を置いています。それゆえです。

次の改正は、1億円超で、35%かな‼総合課税5,000万円で実効税率35%なんです。

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嵐の中でも倒れない 早期経営改善計画という羅針盤

コスト高の波が静かに経営を削る

2026年の春、中小企業の経営者が静かに頭を悩ませているコスト問題が2つあります。1つは、金利の上昇です。日本銀行は追加利上げの方針を継続しており、変動金利で借入を行っている企業では、じわりと返済負担が重くなっています。もう1つは、人件費の高騰です。2026年の春闘では賃上げ率が5%を超える水準で推移しており、中小企業も採用・定着のために賃上げを迫られています。価格転嫁が思うように進まない中で、この2つのコスト増が重なれば、利益を圧迫するだけでなく、資金繰りにも影響が出かねません。

「問題ない」と思う今が最大の油断

こうした環境変化は、じわじわと経営を侵食していくのが恐ろしいところです。特に注意したいのが、日々の業務に追われて現状把握が後手に回るケースです。「売上はなんとか維持できている」「銀行借入の返済に遅れているわけではない」という状況でも、原価率が気づかないうちに上昇し、手元のキャッシュが徐々に細っているということは珍しくありません。問題が表面化してからでは、打てる手が大幅に限られてしまいます。嵐が来る前に、自社の体力と地図を確認しておくことが肝要です。

国が費用を負担する「定期健診」制度

こうした事態に備えるために、国は「早期経営改善計画策定支援事業」という制度を設けています。これは認定経営革新等支援機関の支援を受けてビジネスモデルの俯瞰図・資金繰り計画・アクションプランを策定する際に、費用の3分の2(上限25万円)を国が負担してくれます。重要なのは、「今すぐ銀行支援が必要な状況ではない」段階の企業こそ適している点です。いわば経営の「定期健康診断」として、早めに活用いただきたい制度です。

計画が嵐を乗り越える武器になる

外部環境の嵐が過ぎるのをただ待つのは、経営者の選択肢ではありません。まずは認定支援機関に声をかけ、自社のビジネスモデルを第三者の目で点検することから始めてください。ビジネスモデル俯瞰図を1枚作成するだけでも、強み・弱み・潜在リスクが驚くほど鮮明になります。計画を立て、モニタリングし、変化に機敏に対応できる体制を整えることが、荒波を乗り越える経営者の武器になります。

経営危機を感じる前に会社の健康診断を受け、早めの対策を検討しましょう!

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