消費税課税の要件−対価性の判定−

消費税は国内で事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付け、および役務の提供(資産の譲渡等)に課税されます。取引が課税となるのか課税対象外(不課税)となるのかを判断する要素の一つが対価性の存在です。

対価性のある取引

商品の販売、事務所の賃貸、工事の請負などの取引は対価として金銭の交付が行われ消費税が課税されます。交換、代物弁済、現物出資、負担付き贈与のように金銭の支払を伴わない資産が引き渡されることもあります。金銭による支払の有無にかかわらず、資産の譲渡等の対価として反対給付のあることで消費税が課税されます。

対価性のない取引

剰余金の配当等、保険金、寄附金、損害賠償金、補助金等は対価のない取引(無償の取引)であり、原則として消費税は課税対象外(不課税)となります。

 不課税となる理由は配当金は株主としての地位に基づき受けるものであること、保険金は保険事故の発生に伴い受けるものであることによります。

寄附金も反対給付の対価として支出されるものではないことによりますが、名目が寄附金であっても実態が資産の譲渡等の一部を構成すると認められると課税されます。

損害賠償金は被害者の心身や資産に加えられた損害を補填するために支払われるため、対価がありません。ただし、損害を受けた棚卸資産等がそのままの状態、または軽微な修繕を加えた状態で加害者に引き渡される場合、あるいは無体財産権の侵害や不動産賃貸の明渡し遅延で支払われる損害賠償金には対価性があるため課税されます。

補助金は国や地方公共団体の政策目的の実現のために交付されるので対価はなく、課税対象外(不課税)となります。

対価関係が明白でない同業者団体の会費

同業者団体や組合の通常会費は、業務運営に経常的に必要な費用として会員に分担させるものですが、役務提供と会費に明白な対価関係があるか判定が困難です。団体が継続して課税対象外、会員も課税対象外とする場合は、その処理が認められます。

無償の取引であっても課税される場合

ところで無償の取引であっても消費税が課税される場合があります。個人事業者が事業用資産を家事消費した場合や法人が役員に資産を贈与した場合は、対価を得て行われた資産の譲渡とみなして課税されます。

神社の祭礼に奉納金を納める場合も寄附金として不課税となります。

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解散・清算中に作成する計算書類

会社は、「解散」すると、その営業活動を停止し、所有する財産の「清算」(財産を現金化し、債務を弁済すること)を行い、最終的に法人格を消滅させる手続に入ります。

解散・清算中は、継続企業を前提とした通常事業年度とは作成する書類などが変わってきます。ポイントを整理しましょう。

会社が解散したときの「事業年度」

 会社が解散した場合には、「事業年度開始の日~解散の日」までを1事業年度とします(解散事業年度)。また、株式会社は、清算が終わるまで、解散の日から1年ごと決算を行います(清算事務年度)。協同組合や持分会社(合同会社など)は、解散後も定款に記載した事業年度のままになります。

「解散後」に作成する計算書類

 解散後には、会社の財産状況を確定させるために次の計算書類を作成します。

・(解散日現在の)財産目録 ・(解散日現在の)貸借対照表

 これらは、清算価額(処分価額)ベースで作成したものであり、臨時株主総会(又は清算人会)の承認を得る書類になります。ただ、法人税の申告は、解散事業年度以後も「損益法」で計算するため、実務では、①通常事業年度(継続企業)の貸借対照表・損益計算書と勘定科目内訳書を「申告用」(税務)として作成し、②「総会承認用」(会社法)に清算価額ベースに組み替えるという手順を踏むことが通例です。また、解散以後は、会社は通常の配当ができないため、純資産の部の表示は、剰余金の内訳を示す必要はないと解されています(1本の「純資産の部」で表示)。また、財産の換価処分の過程にあるため、資産・負債の部の流動・固定の区分表示も必要ないとされています。

「清算中」に作成する計算書類

 清算中は次の書類の作成が必要です。

・貸借対照表(清算価額ベース) ・事務報告書 ・附属明細書(重要なものがある場合)

 清算事務年度中は、営業活動の報告のための「事業報告書」ではなく、その年度の清算事務の状況、損益(財産処分損益と清算費用)、清算事務の今後の見通しを記載するので「事務報告書」となります(内容は、事業報告書と損益計算書を合わせたようなものです)。ここでも「申告用」に、損益計算書や株主資本等変動計算書を作成し、申告書に添付することも実務では行われます。

税務と会社法の違いを意識しながら、慎重に進めていきましょう

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