残業削減の取組支援 働き方改革推進支援助成金

残業削減には費用がかかる現実

 従業員の残業を減らし、有給休暇を取りやすくしようとすると、勤怠管理システムの導入や就業規則の見直し、場合によっては労務管理の専門家への相談など、さまざまな費用が発生します。「やりたいとは思っているが、コストを考えると踏み出せない」という声を経営者の方から聞くことも珍しくありません。そうした取組を後押しするのが、「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」です。

対象経費の原則4分の3を助成

 この助成金は、時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を対象に、成果目標ごとの上限額の範囲内で、対象経費の原則4分の3(一定要件下で5分の4)が助成される制度です。

対象となる取組の範囲も幅広く、勤怠管理ソフトや労働能率の増進に資する設備・機器等の導入から、就業規則の整備や研修の実施まで多岐にわたります。成果目標として36協定の時間外労働時間数の上限設定や有給休暇の計画的付与制度の新規導入などを選択し、その目標を達成したうえで申請することで、助成金が支給されます。

社労士への相談費用も助成の対象

 あまり知られていない点ですが、社会保険労務士や中小企業診断士といった外部専門家によるコンサルティング費用も、この助成金の支給対象として認められています。つまり、専門家に相談するためのコスト自体を助成金で賄えるという、活用しがいのある仕組みです。

さらに、働き方改革の取組と組み合わせて従業員の賃金を引き上げた場合には、引上げ率と対象人数に応じた加算が上乗せされる「賃上げ加算」も設けられています。小規模企業の場合には加算額が大きくなる設計となっており、時短と賃上げを同時に進める好機です。

申請期限は今年11月30日まで

 期限は令和8年11月30日(月)午後5時です。ただし予算に限りがあるため、期限前に受付を締め切る場合もあります。申請窓口は所在地を管轄する都道府県労働局雇用環境・均等部(室)です。重要なのは、設備の導入や専門家への依頼は必ず交付決定後に行うという点です。交付決定前に着手した費用は一切助成対象とならないので、動き出す順序には十分ご注意ください。

こんな状況になる前に助成金でシステムを導入しましょう!

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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)

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遺産分割で考慮すべき特別受益

 被相続人から生前贈与を受けていた場合、相続財産の分割だけでは課税の公平が保てないため、一定の配慮が行われます。

相続人の特別受益を相続財産に持ち戻す

 相続人に遺贈または婚姻、養子縁組、生計の資本としての贈与がされた場合、これらは特別受益とされます。特別受益の額は相続時の価額で相続財産の価額に加算(持戻しといいます)し、民法に規定する相続分で按分した額から遺贈または贈与の額を控除した額が各相続人の相続分となります。

被相続人が持戻しの免除を意思表示したときは、その意思に従います。婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産の遺贈または贈与、配偶者居住権の遺贈も持戻し免除の意思を表示したものと推定されます。

持戻しの対象となる贈与の範囲

 子の結婚に際し、新生活を援助するためのまとまった金銭の贈与は特別受益に該当すると考えられます。生計の資本としての贈与は生活の基盤となる財産を指し、夫婦間の生活保持義務や親族間の扶養義務の範囲を超えるものは特別受益に該当します。子の学費は扶養義務の範囲であれば該当しませんが、住宅資金の贈与は非課税となるものであっても特別受益となります。

生命保険金の持戻しの扱い

 相続で受け取る生命保険金は、相続人固有の財産とされ、原則、持戻しの対象となりません。ただし、生命保険契約が保険金を受け取った相続人に対する被相続人からの贈与と同視され、相続人間の公平さを著しく欠くとされた場合は、特別受益となることが裁判で示されています。

未分割のときは持ち戻して相続税額を計算

 相続人に特別受益があったとき、これを持戻して相続税額を計算するのは、遺産分割協議が調わず、未分割となる場合です。遺産分割協議が調う場合は相続人間で任意に分割できます。

生前贈与加算と異なる加算期間

 被相続人から生前贈与があった場合、相続開始前7年以内に贈与された財産の価額を相続財産の価額に加算して相続税額を計算します(生前贈与加算)。加算対象期間は令和5年度税制改正により、相続開始前7年以内となりました。令和6年1月1日以後の暦年課税贈与により取得した財産について適用されます。

 一方、特別受益については受益の時期にかかわらず、全ての期間に行われた贈与が持戻しの対象となります。

扶養義務の範囲内の贈与では持戻しを行いません。

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