判定表兼計算書を使って

適用判定表 兼 税額計算書

 ミニマムTAX申告元年用に、この特例に関する「適用判定表 兼 税額計算書」が公表されていて、この書類で、適用対象になるか否かの判定と、適用の場合の増加税額の計算と、をするとしています。

「適用判定表」

「適用判定表」においては、申告不要の制度の適用の有無にかかわらず、それらの適用をしない金額の記載が強制されており、一方で、繰越控除や特別控除の金額は、適用した後の金額とされています。なお、NISAなどの非課税所得と、利子所得は、含めることを強制される対象から除外されています。

ここで求めるものが「基準所得金額」で、この金額が3.3億円以下だったら、ミニマムTAX適用外です。

「税額計算書」の上部

 適用対象になると、「税額計算書」の部分の記載をすることになります。ここでは、まず、3.3億円超額に対する22.5%の税額を算定します。

次に、申告予定の復興税込みの税額欄の金額を記載し、その次は、申告不要とした所得に係る復興税込みの所得税の源泉徴収額を記載します。それから、この2つの計を仮の基準所得税額と記載し、この金額と3.3億円超額の22.5%との差を、仮のミニマムTAXとして記載します。

この最後の金額がマイナスだと、実質的には、適用対象外ということになります。

「税額計算書」の下部

まず、申告不要の所得もすべて記載して計算した所得税(災害減免欄の前の欄)を計算書に移記し、次いで、それに対する復興税2.1%を記載し、その次にその合計(復興税込み所得税)を記載します。

この金額と、3.3億円超額の22.5%との差が、本物のミニマムTAXとしてその次の記載で、最後に、先ほどの下部最上段の所得税と本物のミニマムTAXとの合計を書きます。これを、申告書の復興税計算前の欄に転記します。増加税額を書く特別な欄はありません。

申告不要選択と復興税が厄介

申告不要を選択していると、申告書と税額計算書との、行ったり来たりが、多くなります。実質的には、申告不要は廃止されているような状況です。

22.5%は、最高税率45%の半分ですが、復興特別税込みの税額と扱われています。

申告不要所得を含めて税額計算するために、所得控除の適用要件の合計所得金額が増加し、医療費控除、配偶者控除、基礎控除等々の金額が変わる場合があります。

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個人事業者の廃業時「みなし譲渡」

廃業する個人事業者の4割が申告漏れ?

 個人事業者の方から「後継者がいないなら自分の代で終わり」という声をよく聞きます。後継者や事業譲渡先が見つからず事業整理(廃業)となっても、大切に続けてきたお店だからこそ、最後はスッキリと幕を閉じたいものですよね。ところが、会計検査院が2015~2017年に廃業した個人事業者の確定申告書などを調べたところ、「4割弱の個人事業者が消費税の課税漏れをしている」と指摘したことがあります。

見落としがちな消費税の「みなし譲渡」

 会計検査院の指摘は、消費税の申告で「みなし譲渡」を考慮していない納税者が多い点にあります。消費税は、原則として事業者が対価を得て資産を譲渡する場合に課税されます。ただ、実際に代金を受け取っていなくても「時価で譲渡した」とみなして課税する制度があります(みなし譲渡)。具体的には次の2つのケースが該当します。

⑴ 個人事業主による「自家消費」

事業用の棚卸資産や備品を事業主本人や家族が私生活で使用するケース

⑵ 法人から役員への「贈与・低額譲渡」

会社が所有資産を役員に無償贈与したり、時価より著しく低い価格で譲渡するケース

個人事業者の廃業時の取扱い

 廃業時に在庫やパソコン、車両などの備品が残る場合、事業主本人が引き継ぐ(家事用にする)ことになります。これも⑴の「自家消費」とみなされ、廃業時点で消費税の課税対象になります。

そのため、廃業時の最終消費税申告では、売上に加え残存資産の時価を課税売上高に加算して計算する必要があります。

<具体例> 売上1,000万円の他に

廃業時に次の資産が残っている場合

在庫 (棚卸資産)通常の販売価額200万円(仕入150万円)
車両時価50万円

在庫は「通常の販売価額×50%」と「仕入価額」の高い方の金額を課税標準とします。 この例では、売上1,000万円+みなし譲渡200万円(在庫150万円+車両50万円)の1,200万円が消費税の課税標準となります。

「みなし譲渡」を回避するには

 この影響を減らすには①廃業前に資産を廃棄処分する、②免税事業者になってから廃業する等が考えられます。業種によっては簡易課税制度も活用できるでしょう。

お疲れさまでした。最後まで油断せずに、申告しましょう!

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