意外と知らない労災保険

原則、すべての労働者は労災保険の対象

 労災保険は労働者が業務上の病気やケガをしたときに医療や休業補償を受けられる制度です。労災保険は一般的になじみが薄く、勘違いしているところがあるので、見てみましょう。

会社が労災保険に未加入だった時

 労働者が業務災害や通勤災害で被災したとき事業所が労災保険に未加入であっても労働者は労災保険の給付は受けられます。

 労働者には速やかに治療費や休業補償を行いますが、そのあと事業主に対して保険料徴収、追納、行政指導があります。

業務中が原因でも健康保険は使えるか?

 業務や通勤が原因の傷病は健康保険でなく、労災保険の対象です。健康保険を使ってしまうと自己負担(通常3割負担)が発生するうえ、後から労災申請する際、健康保険を取り消してから行う等手続きが複雑になります。最初に労災かどうかを確認しましょう。

 5人未満の事業所の事業主はケースによっては健保が使える場合がありますが、現場の仕事等が多い場合は事業主の特別加入をしておくのが安心です。

通勤中の事故と労災

 通勤災害も労災保険の対象です。自宅から職場までの合理的な経路・方法での移動中の事故は原則として通勤災害とされます。寄り道、私的な用で逸脱していると対象外になることもあります。

労働者の過失による被災

 労災保険制度は労働者が労災で負傷等した際、労働者に一定の過失があってもそれを理由に給付減額はありません。労働者保護を最優先に考えている制度だからです。

慰謝料について

 労災保険は負傷、疾病、障害、死亡した場合、被災者や遺族を保護する損害補償に限られており、精神的苦痛に対する慰謝料は支給されません。慰謝料は給付対象外なので民事訴訟や、示談交渉を通じて請求となります。

会社の承認必要か

 労災保険を給付申請する際に事業主が協力しない場合は、労働者本人が労基署に直接申請することもできます。

労災保険は正社員、パート、アルバイト、外国人労働者も対象です

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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)

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相続税調査は増加傾向 追徴課税額も過去最高水準に

実地調査は9,500件超に増加

令和6事務年度の相続税に関する実地調査件数は9,512件で、前年度比111.2%と大幅に増加しました。追徴税額も824億円(前年度比112.2%)と増加し、調査1件あたりの追徴額は平均867万円に達しています。調査の対象は、過少申告が疑われる事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告が疑われる事案など、国税当局が入手した資料情報に基づき重点的に選定されています。

簡易な接触でも追徴効果

書面通知や電話・来署依頼による「簡易な接触」も積極的に行われており、21,969件(前年度比117.0%)に達しました。これにより、申告漏れ課税価格は1,123億円、追徴税額は138億円と、いずれも簡易接触が開始された平成28年度以降で最高水準となっています。形式的なやり取りで済むと軽視されがちですが、実態は大きな修正リスクを伴っており、税務署からの文書ひとつが大きな対応義務に発展する可能性があることを認識すべきです。

無申告・海外資産は特に要注意

無申告事案の追徴税額は142億円と、平成21年度の公表開始以来で過去最高を記録しました。また、海外資産関連事案も増加しており、実地調査件数は1,359件、申告漏れ課税価格は97億円でいずれも前年比2割以上の増加です。特に、CRS情報や租税条約による情報交換が活用されており、海外資産の秘匿は極めて困難になっています。

実例として、海外子会社への貸付金を国内法人口座経由で隠蔽したケースでは、約4.4億円の課税価格の修正が行われ、1.8億円の追徴税額が発生しました。意図的な隠蔽行為は重加算税の対象にもなり得るため、非常に高額な税負担リスクを伴います。

実務での対応ポイント

これらの状況を踏まえ、相続税対策を行う中小企業経営者や資産家は、次の点に留意すべきです。まず、相続前の多額の現金引き出しや贈与については、目的・使途の記録と説明責任を明確にすること。また、海外資産を保有している場合は、その管理状況や取得経緯を文書化しておくことが肝要です。税理士任せにせず、資産構成と過去の資金移動について経営者自身が説明可能な体制を整えておくことが、将来的な税務リスクを軽減する鍵となります。

生前に話し合っておくことがとても大事ですね。

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