「定期同額給与」に該当する? 役員の子の学費を一括払いした場合

海外赴任者の「子女教育手当」

海外に駐在員事務所、支店や工場がある日本の会社では、海外に赴任する役員や従業員に様々な手当を設けている会社がほとんどです。役員・従業員が家族を伴って赴任する場合には「子女教育手当」として、帯同する子女の学費(入学金、授業料、スクールバス代、施設維持費)や学校に対する寄附金を会社が負担するケースがあります。

学校の選択肢としては、現地校、日本人学校やインターナショナルスクールなどがあり、1人当たり年間50万円から400万円と幅があるため、会社によっては上限額を設けていることもあります。

役員の子の学費を会社が一括払いした場合

国税庁HPの質疑応答事例では「法人が役員の子の授業料を一括して支出した場合(定期同額給与)」が掲載されています。

照会内容を要約すると、役員に対する毎月の給与のほかに、役員の子が通う学校の授業料を会社が負担し、1年分の授業料を学校に一括払いしたというもの。この手当は、その会社の法人税法上の「定期同額給与」に該当するかというのが照会内容です(所得税法上「現物給与」として給与課税している前提での照会になります)。

「定期同額給与」とは、法人税法上、損金の額に算入することができる役員給与の類型の一つ。法人税法では、「定期」かつ「同額」で支給するものとされています。

<定期同額給与の要件>

定期その支給時期が1月以下の 一定の期間ごとであること
同額その事業年度の各支給時期に おける支給額が同額であるもの

一見「定期同額給与」と思えないが…

一括払いした授業料は、定期同額給与に該当しないように思えますが、この質疑応答事例では「該当する」としています。

役員に対して「継続的に供与される経済的利益」のうち、供与される利益の額が「毎月おおむね一定」であるものは、「定期同額給与」として取扱われます。この場合、負担した費用の支払形態や購入形態により判定するものではないとしています。一般に授業料は、在学契約により役員の子が継続的に受ける教育役務の提供の対価なのだから、役員に対して給与を支給したのと同様の経済効果が継続的に(毎月おおむね一定に)もたらされているということのようです。

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2026年版中小企業白書を読み解く 中小の業況と経常利益の実態

業況はコロナ後の最高値から足踏みへ

中小企業庁が発表した2026年版中小企業白書によると、中小企業の業況判断DIは2023年第2四半期に1994年以降の最高水準を記録した後、低下に転じ、現在も足踏みの傾向が続いています。新型コロナウイルス感染症の影響から一時的に回復したものの、その勢いは長続きせず、製造業・建設業・サービス業いずれも2023年以降は伸び悩みの状況が続いています。経営環境の厳しさは依然として続いていると言わざるを得ません。

売上は増えても利益の格差は広がっている

売上高は増加傾向にあるものの、経常利益の面では大企業との格差が拡大しています。財務省の法人企業統計によると、中小企業の1四半期当たりの平均経常利益は大企業の約3分の1にとどまっており、その差は広がる一方です。

売上が伸びているのに手元に残る利益が増えにくいという状況の背景には、ウクライナや中東情勢の不安定さによる原材料費や人件費などコスト増加分を販売価格に十分転嫁しきれていないことや、大企業と比較した労働生産性の伸び悩みがあると考えられます。

業種別の差に経営改善のヒントがある

業種ごとの経常利益の推移を見ると、製造業や建設業が相対的に高水準を維持しているのに対し、宿泊業や飲食サービス業は依然として低迷が続いています。自社の属する業種が業界全体と比べてどのような位置にあるのかを客観的に把握することは、今後の経営の方向性を考える上で非常に重要な手がかりになります。同業他社の平均数値と自社の収益構造を比較することを、ぜひ一度試みてください。

今こそ「稼ぐ力」を点検する好機

今回の調査では、中規模企業の最大の経営課題は「人材確保」、小規模事業者では「受注・販売の拡大」であることが明らかになっています。業況の足踏みが続く中でも、付加価値を高め「稼ぐ力」を磨くことが、大企業との利益格差を縮める上で不可欠です。まずは自社の付加価値額と一人当たりの労働生産性を正確に把握し、どこに改善の余地があるかを点検することから始めてみてください。その数字の中に次に打つべき手が必ず見えてきます。

日経平均は過去最高を叩き出していますが、中小企業の景況感は足踏み状態が続いています。

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