遺産分割で考慮すべき特別受益

 被相続人から生前贈与を受けていた場合、相続財産の分割だけでは課税の公平が保てないため、一定の配慮が行われます。

相続人の特別受益を相続財産に持ち戻す

 相続人に遺贈または婚姻、養子縁組、生計の資本としての贈与がされた場合、これらは特別受益とされます。特別受益の額は相続時の価額で相続財産の価額に加算(持戻しといいます)し、民法に規定する相続分で按分した額から遺贈または贈与の額を控除した額が各相続人の相続分となります。

被相続人が持戻しの免除を意思表示したときは、その意思に従います。婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産の遺贈または贈与、配偶者居住権の遺贈も持戻し免除の意思を表示したものと推定されます。

持戻しの対象となる贈与の範囲

 子の結婚に際し、新生活を援助するためのまとまった金銭の贈与は特別受益に該当すると考えられます。生計の資本としての贈与は生活の基盤となる財産を指し、夫婦間の生活保持義務や親族間の扶養義務の範囲を超えるものは特別受益に該当します。子の学費は扶養義務の範囲であれば該当しませんが、住宅資金の贈与は非課税となるものであっても特別受益となります。

生命保険金の持戻しの扱い

 相続で受け取る生命保険金は、相続人固有の財産とされ、原則、持戻しの対象となりません。ただし、生命保険契約が保険金を受け取った相続人に対する被相続人からの贈与と同視され、相続人間の公平さを著しく欠くとされた場合は、特別受益となることが裁判で示されています。

未分割のときは持ち戻して相続税額を計算

 相続人に特別受益があったとき、これを持戻して相続税額を計算するのは、遺産分割協議が調わず、未分割となる場合です。遺産分割協議が調う場合は相続人間で任意に分割できます。

生前贈与加算と異なる加算期間

 被相続人から生前贈与があった場合、相続開始前7年以内に贈与された財産の価額を相続財産の価額に加算して相続税額を計算します(生前贈与加算)。加算対象期間は令和5年度税制改正により、相続開始前7年以内となりました。令和6年1月1日以後の暦年課税贈与により取得した財産について適用されます。

 一方、特別受益については受益の時期にかかわらず、全ての期間に行われた贈与が持戻しの対象となります。

扶養義務の範囲内の贈与では持戻しを行いません。

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早めの対策で熱中症予防

最高気温40℃以上の日を「酷暑日」と命名

近年、夏に40℃を超える日も珍しくなくなりました。最近、気象庁が40℃を超える日の名称を「酷暑日」と決定しました。

 厚生労働省の「職場における熱中症予防のためのガイドライン」には計画的に暑熱順化期間を設ける必要性を明記しています。 あらかじめ体を暑さにならす「暑熱順化」とは何をするのでしょうか。

 人体は運動や仕事などで汗をかき、蒸発時に熱を奪うことで体温を下げます。汗をかきにくいと熱が体にたまり、熱中症リスクが高まります。日頃から適度な運動や入浴を繰り返すことで汗をかきやすい体質に変える暑熱順化が熱中症予防になります。

総務省消防庁によると25年5月~9月の搬送者は全国で過去最多の10万人超え。同年6月~8月の全国の平均気温は平年を2.36度上回り統計開始以降で最も暑い夏でした。近年は4、5月に真夏のような暑さになることもあります。

気象庁が26年4月に公表した5月~7月の3か月予報によると、気温は全国的に高くなる見通しです。搬送者は65歳以上が57%と高齢者が多く、それより若い層でも3人に1人は成人です。

暑熱順化で徐々に体を慣らす

昨年より職場の熱中症対策が義務化されました。現場作業のような職場では7日以上かけ暑熱環境で身体的負荷を増やし、作業時間を調整して次第に長くするなどの対策で暑さに体を慣らし、重篤化や死亡災害等の防止に努めなければなりません。

日常生活で各人でも取り組んでいける実践しやすい対策例を挙げてみましょう。

日本気象協会によると

・ウォーキング 1日30分 週5回

・サイクリング 1日30分 週3回

・筋トレやストレッチ1日30分 週5回から毎日の適度な運動

・湯船に2日に1度入る

・3分ほど大股で手を振って歩き3分間ゆっくり歩く「インターバル速歩」をややきつめに1日に5回、週4回程度で

以上のような対策で、人によりますが数日から2週間程度で暑さに慣れてくるといいます。暑さが本格化する前に、暑さに慣れる期間を職場でも個人でも取り組んでいきましょう。

早めに夏の体になるよう、暑さに慣れる期間が必要ですね

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