補助金頼みを卒業する経営へ

国民から寄せられた補助金に対する声

 今年1月から2月にかけて、内閣官房が実施した「租税特別措置・補助金・基金の適正化に向けた提案募集」に、37,174件もの提案・意見が寄せられました。

その中で、中小企業向け補助金に関しては「補助金が生産性の低い企業の延命につながっている」といった厳しい指摘が相次ぎました。補助金依存への強い問題意識が国民から寄せられた意見の中に表れていることは確かです。政府は2027年度の予算編成・税制改正に向けてこれらの意見を参考にする方針を示しています。

補助金ありきの計画が招くリスク

 補助金の申請・報告手続が複雑で、申請支援に外部専門家が関与する構造についても、今回指摘が寄せられました。「補助金が取れたから事業を始める」という発想には根本的なリスクが潜んでいます。補助金は交付決定後も実績報告・精算の手続が残り、補助対象経費として認められない支出や交付条件違反があれば、補助金額の減額や返還を求められる場合があります。補助金を前提に設備投資や採用を進めると、入金時期の遅れや自己資金負担により、キャッシュフローを圧迫するリスクがあります。補助金はあくまで事業を加速させる「燃料」であり、エンジンそのものではないのです。

補助金なしでも回る事業設計を

 では、補助金とどう付き合えばよいのでしょうか。正解は「補助金がゼロになっても成立する事業計画に、補助金を後乗せする」という設計思想です。

まず自社の強みと市場の需要を照らし合わせ、補助金なしで黒字化できる道筋を先に描く。その上で、その投資をより早く実現するための手段として補助金を活用する。この順序が守られていれば、仮に不採択になっても経営は揺らぎません。

自立型経営への転換が今問われる

 今回の見直し議論は、補助金が即座になくなることを意味するものではありません。しかし今後は、制度設計や公募要領、審査項目において成果指標や費用対効果の説明がより重視される可能性があります。

補助金は「事業の前提」ではなく「成長を加速する手段」です。

価格転嫁力の強化、生産性の向上、財務体質の改善といった本質的な経営改善の延長線上に補助金を位置づけること、これが補助金の恩恵を最大限に活かす道です。「補助金がなくなっても生き残れるか」という問いを、今一度自社に投げかけてみてください。

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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)

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衛生管理者の選任

職場の労働環境で労働者の健康障害を防止

労働安全衛生法では、業種にかかわらず事業場で常時雇用する労働者の人数が50人以上になると事業場専属の衛生管理者を選任するよう定めています。この人数は企業単位ではなく本社や支店・営業所等の事業場単位でそれぞれ判断し、正社員以外にパート・アルバイト等も含み常態として使用している労働者の人数で算出します。

 衛生管理者は常時使用者が50人以上200人以下では1人とされ、200人を超えるときは人員数に応じた人数を選任します。

衛生管理者の選任条件

衛生管理者は、原則として事業場に専属する労働者から選任します。選任できる労働者は第一種・第二種衛生管理者免許や衛生工学衛生管理者免許などを所有している必要があります。第一種衛生管理者免許の所有者は業種にかかわらず衛生管理者として選任できますが、第二種衛生管理者免許所有者は建設業や製造業では選任できません。また、法定有害業務のうち一定の有害業務では1人は衛生工学衛生管理者免許の所有者でなければなりません。なお、次の条件に合う場合は事業場の労働者以外で外部の人を選任できます。

「その他の業種であり労働者派遣契約等事業場に常駐して継続的にその業務に当たり実務を行うことができる人」

業種に応じた資格条件

1. 下記の資格を必要とするのは、農林畜水産業、製造業、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業および清掃業

・第一種衛生管理者免許

・衛生工学衛生管理者免許

・医師・歯科医師・労働衛生コンサルタント

2. その他の業種は上記免許に加え第二種衛生管理者免許でも対応できます。

衛生管理者の業務内容

  • 健康に異常のある者の発見と措置
  • 作業環境の衛生上の調査
  • 作業条件や施設等の衛生上の改善
  • 作業衛生保護具、救急用具等の点検
  • 衛生教育・健康相談・健康保持事項
  • 負傷・疾病・死亡・欠勤等統計の作成
  • 衛生日誌記載等記録の整備
  • 毎週1回以上の事業場内巡視

衛生管理者の選任・交代の場合は、事由発生後14日以内に労働基準監督署に届け出ます。

受験資格は一定の学歴と実務経験のある人です。試験は毎月行なわれています。合格率は40%台の後半程度です

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