棚卸資産の取得価額 付随費用の配賦計算

商品の付随費用の取得価額への配賦計算

 購入した棚卸資産の取得価額には、購入代価のほか、これを消費し又は販売の用に供するために直接要した全ての費用が含まれるのが原則です。では、種類などが異なる棚卸資産を取得した場合に共通する付随費用はどのような方法で配賦するのでしょうか。実務では、次のような方法を継続適用して、種類・品質・型等の異なるごとに、それぞれの棚卸資産に配賦します。

⑴ 購入代価の比で配賦 ⑵ 購入数量の比その他の基準で配賦 ⑶ 購入代価が大きなものみに配賦

<事例> 仕入商品

購入代価 1,000千円(12,500個)

A商品 @75円5,000個 (数量40%)375千円 (価格37.5%)
B商品 @100円5,000個 (数量40%)500千円 (価格50%)
C商品 @50円2,500個 (数量20%)125千円 (価格12.5%)

共通する引取費用等 60千円

引取費用(運賃等)20千円
付随費用(検収費等)16千円
移管費用(支店への搬送費)24千円

⑴ 購入代価の比で配賦

A商品375千円+60千円×価格0.375 =397.5千円
B商品500千円+60千円×価格0.50 =530千円
C商品125千円+60千円×価格0.125 =132.5千円

⑵ 購入数量の比その他の基準で配賦

A商品375千円+60千円×数量0.40 =399千円
B商品500千円+60千円×数量0.40 =524千円
C商品125千円+60千円×数量0.20 =137千円

 ⑴、⑵とも付随費用と移管費用の合計額40千円は、購入代価の3%超であるため、取得価額に算入します。

⑶ 購入代価の大きなもののみに適当な基準により配賦(小口不配賦)

A商品375千円+60千円×375/875 =400,714円(端数切捨て)
B商品500千円+60千円×500/875 =534,286円(端数切上げ)
C商品125千円(配賦なし)
会社に合った方法を継続して用いましょう。

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「見えない設備」の税務判断 ガソリンスタンドの「地下タンク」

ガソリンスタンドの下の大きな設備

 ガソリンスタンドの地下には、燃料を貯蔵する巨大な「地下タンク」が埋設されています。安全確保のためコンクリート基礎で固定され、周囲には漏洩を防ぐ砂が詰められています。この「地下タンク」は、地上にある給油設備と油管を通じて繋がっており、燃料を供給する仕事の一端を担っています。意外にも、この「地下タンク」が税務の話題に取り上げられることがあります。

タンクは「機械及び装置」か「構築物」か?

 ある法人がガソリンスタンドとして事業を行うため、土地に定着した設備(コンクリート路面や油溝・集水桝・油分離層等)の工事を行い、その上に給油設備を整備したことについて、これらを一体として「機械及び装置」として取扱ってよいか争った裁判がありました。

「機械及び装置」に該当すると、「その他の小売業設備」「ガソリン・液化石油ガススタンド設備」として法定耐用年数8年となり、特別償却の対象となる余地があります。

複合資産の場合の「通常1単位」とは?

この裁判では、複合的な資産が減価償却資産として「機械及び装置」に該当するかどうかは、その資産の構造や素材等に照らし、次のような単位に分解して判断すべきとしています。

・独立して修理、更新が可能な単位 ・独立した効用を果たすとされる単位

 裁判所は、給油設備とタンクは、個別に修理、更新が可能である上、タンクには「油を貯留する」という独立した効用があるとして、地下タンクは「構築物」(「水そう及び油そう」)に該当すると判断しました。

消防法に基づく改修は全額修繕費に

 また、ガソリンスタンドの地下タンクには、消防法に基づく厳格な点検・修理(改修)義務があります。現在の消防法では、設置から40年以上経過し老朽化した地下タンクには、「腐食防止工事」又は「更新(新品への交換)」が義務付けられています。

国税庁の質疑応答事例では、①改修しなければ、消防署から行政処分が下されること、②事故が発生した場合、多額の土壌汚染対策費や損害賠償が発生するリスクがあることから、「原状回復」や「通常の維持管理」の範囲内であるとして、「修繕費」に該当すると説明しています(更新〔新品への交換〕は資産の取得となります)。

地下タンクの「40年問題」。本当に頭が痛い!

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