飲食料品の消費税がゼロになったら・・・食玩と消費税ゼロ政策

選挙公約で出現「食料品消費税ゼロ」

 先の衆議院選挙で争点の1つになった「飲食料品について時限的に消費税をゼロにする」という政策については、そもそもの財源、非課税取引(仕入税額控除ができない)にするのか免税取引にするのか、はたして景気や家計に本当に良いのか等、市井では様々な議論を巻き起こしています。国会での議論にも大いに注目したいところですが、SNS上では大喜利的な話題も多く、「高級車付きのガムなら消費税ゼロか」等の揶揄もあるようです。

食玩についての消費税はすでに結論済み

 おまけにおもちゃ等がついてくる食品や飲料の商品形態は「食玩」と呼ばれ、長年愛されているものですが、実は現行の軽減税率8%を導入する際に、食玩についての消費税課税ルールを国税庁が通知しています。

①税抜価格が1万円以下であること

②価格のうち、食品の割合が3分の2以上であること

この2つを満たしている場合のみ、軽減税率8%が適用されます。

 よって「高級車付きガム」は現行ルールを踏襲するのであれば、飲食料品消費税ゼロの改正があったとしても消費税はかかってきます。

 なお、ほとんどの食玩については各メーカーとも「お菓子付きの玩具」という位置づけでリリースしており、あくまでも「おもちゃがメイン」になるため、消費税率は10%となっているようです。

飲食料品問題はあらかた決着している

 標準税率を10%、飲食料品は軽減税率で8%という区分けを行った際に、国税庁は制度に関するQ&Aを積み上げています。今回飲食料品についての消費税をゼロにするという改正を適用するのであれば、この積み上げたQ&Aをベースに制度を整備するものと思われます。

 そう考えると制度面的な課題はかなり少なくなっているわけで、財源や社会全般に与える影響を熟考する中で、「制度設計の煩雑さ」は反対材料にはならない、消費税ゼロに向けては好材料になっているのではないでしょうか。

良いことばかりじゃないけど、悪いことばかりでもないね。

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AI選定で精度向上 法人調査件数減も追徴税額は最高額

実地調査1件あたり634万円

国税庁が公表した令和6事務年度の法人税・消費税の実地調査結果によると、調査件数が前年比▲7.4%の5.4万件と減少した一方、追徴税額の総額は3,407億円に上り、直近10年で最高額となりました。1件あたりの追徴税額は634万円で、前年から15.4%増加しており、調査精度の向上が数字に表れています。

この背景には、AIによる不正パターンの判定やリスク分析の導入があり、従来の経験とデータサイエンスの融合により、高リスク法人の選定精度が格段に上がっています。

不正の手口と重点業種に注意

不正事例としては、外注費や人件費の仮装計上、売上の除外などが多数報告されています。特に、売上を代表者の個人口座に振り込ませる手口や、架空の請求書による経費水増しが散見されます。

業種別にみると、不正発見割合が最も高かったのはバー・クラブ(62.3%)で、1件あたりの不正所得金額も4,466万円と突出しています。他にも、外国料理や美容業、建設関連業種なども高リスク業種として位置づけられています。

還付・海外・無申告が三大重点

調査の重点は「消費税還付申告法人」「海外取引法人」「無申告法人」の3点に集中しています。不正な消費税還付を狙った偽装輸出や、海外税務当局との情報交換を活用した売上除外の発見、SNSや取引銀行情報を端緒とした無申告の摘発など、手法は多様化・高度化しています。特に海外取引に関しては、移転価格や外国子会社の取引が精査されており、形式的な書類管理だけでは対応が困難になりつつあります。

経営者が今すぐすべき対策とは

中小企業の経営者としては、調査対象の抽出基準がAI化・高度化している現状を踏まえ、まず自社の経理処理や契約関係を第三者の目線で点検することが不可欠です。特に、役員報酬や外注費、人件費などの支出に関する証憑書類の保存、取引の実在性に関する記録、海外関連会社との契約書や送金履歴などの整備が求められます。

無申告状態がある場合は即座に専門家へ相談し、自主的な修正申告を行うことが、将来的な税務リスクを大幅に軽減する最善策となるでしょう。あわせて、日頃から税務調査を想定した内部統制の構築を進めることも、企業防衛として極めて有効です。

税理士による客観的な目線での点検は必要ですね!

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