2026年版中小企業白書を読み解く 倒産・廃業の今を読む

11年ぶりに倒産1万件を超えた

2026年版中小企業白書が、経営者にとって衝撃的な数字を示しています。2024年の全国企業倒産件数は10,006件と、2013年以来11年ぶりに1万件を超えました。

コロナ禍の資金繰り支援によって一時的に抑えられていた倒産が、支援縮小とともに水面下からあふれ出しています。物価上昇・人件費高騰・金利上昇が同時に企業経営を直撃し、収益改善が追いつかない企業から順に力尽きていく構図が鮮明になっています。この数字を「他人事」と片付けられる中小企業経営者は、多くないはずです。

廃業は倒産の7倍、静かな退場が増加

注目すべきは、倒産よりもさらに大きな動きです。法的整理に至る前に自主的に事業をたたむ「休廃業・解散」は2025年に約68,000件と、倒産件数の約7倍に達しています。廃業時の経営者の平均年齢は71.5歳と過去最高を更新しており、後継者不在と高齢化が廃業の大きな背景となっています。ニュースにはなりにくいこの「静かな退場」こそ、地域経済が今まさに直面している現実です。

黒字のうちに決断できているか

さらに深刻なのが、廃業する企業の財務状況の変化です。廃業直前に黒字だった企業の割合は低下傾向が続き、2025年には調査開始から初めて50%を下回りました。

つまり廃業企業の半数超が、すでに赤字になった状態で事業をたたんでいるということです。黒字のうちに廃業を決断できれば、従業員への影響を最小化し、取引先への迷惑も抑えることができます。しかし財務余力を失ってからでは、その選択肢も消えてしまいます。

「出口を選べる状態」が経営戦略になる

経営の継続だけでなく、「いざとなれば出口を選べる財務状態」を保つことも、これからの時代の経営戦略の一つです。手元の現預金は何か月分の売上に相当するか、純資産は増えているか減り続けているか。こうした数字を定期的に点検する習慣が、いざというときの選択肢を守ります。

倒産でも受け身の廃業でもなく、「自分の意思で次の一手を選べる状態」を維持し続けること。それが今、中小企業経営者に問われているテーマなのかもしれません。

倒産1万件超。廃業はその7倍。黒字のうちに決断できるか。

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食品小売業の簡易課税 「軽微な加工」とは?

店内調理したコロッケを販売する肉屋さん

 お肉屋さん(精肉店)で売られているコロッケ。おいしいですよね。使用されている「油」と「挽き肉」に秘密があるそうです。「油」は、主にラード(豚の脂)が使われており、濃い味と良い香りがつきます。「挽き肉」は、ステーキや焼肉用にブロック肉を切り分ける際に出る「端肉」を、無駄なくミンチにしたものです。「贅沢な余り肉」が入っているので、普通の挽き肉とは違います。お店によって肉の種類や配合が異なるため、それぞれに個性豊かな味わいを楽しめます。

簡易課税の「小売業」と「製造業」

 食品小売業(スーパー、精肉業、鮮魚業等)が消費税の簡易課税を適用する場合、「小売業」(みなし仕入率80%)に分類されます。この簡易課税での小売業は、「他の者から購入した商品をその性質及び形状を変えないで販売する事業で卸売業以外のもの」と定義されています。「性質及び形状」が変わる場合には、「製造業」(みなし仕入率70%)として取り扱われます。つまり、仕入商品をそのまま販売すれば「小売業」、加工して販売すれば「製造業」として仕入税額控除を行うことになります。とは言うものの、実際の判断は難しそうですよね。

「小売業」とされる「軽微な加工」とは?

 消費税の通達では、一定の「軽微な加工」の場合、小売業(みなし仕入率80%)として取り扱って差し支えないとされています。この場合の「軽微な加工」とは、次の3つの要件を満たすものをいいます。

消費者向け 販売店舗食料品を一般消費者に 売る店舗であること
一般的な 加工の範囲店内で通常行われる程度の加工であること
同一店舗 での販売加工した店舗で そのまま販売すること

「軽微な加工」に該当する行為、該当しない行為は、次のように例示されています。

<軽微な加工>

該当する 行為切る・刻む・つぶす・挽く・タレに漬け込む・混ぜ合わせる・こねる・乾かす等
該当しない 行為加熱行為(焼く・あぶる・ゆでる・煮る・揚げる等)

 精肉店が揚げたトンカツを販売する場合や鮮魚店がカツオのたたき(表面をあぶる調理)を販売する場合には、消費税の簡易課税では「製造業」に分類されます。

コンビニの「レンジ温め」は「軽微な加工」には当たりません。

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