2026年版中小企業白書を読み解く デジタル化の現在地を知る

デジタル化はどこまで進んでいるか

事業において、「とりあえずクラウド会計を導入した」「勤怠管理をアプリに切り替えた」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

2026年版中小企業白書によると、中小企業のデジタル化の取組段階を4段階で分類したところ、「デジタルツールを利用した業務環境に移行している状態」に該当する事業者が約6割を占めています。一方で、紙や口頭による業務が中心のデジタル化未着手の事業者も一定数存在しており、取組水準には大きな差があります。

クラウドが静かに経営を変えている

デジタル投資の内訳を見ると、中小企業の従業者一人当たり情報処理・通信費は近年増加傾向にあり、その増加の主役は「クラウドサービス使用料」です。クラウド会計・給与計算の導入割合が最も高く、勤怠管理・シフト作成ツール、電子契約・電子請求書がそれに続きます。クラウドサービスの利用料は資産として計上されないため、従来の設備投資統計には反映されませんから、統計上は「デジタル投資が少ない」ように見える中小企業でも、実態ではクラウドを通じた着実なデジタル化が進んでいます。

ツールを入れても効果が出ない理由

一方、ITツールを導入しても期待した効果が得られないケースも少なくありません。白書が明らかにした効果の差を生む最大の要因は「部門間連携」です。営業・製造・バックオフィスが別々にツールを使い、情報が分断されたままでは全社的な効率化には至りません。

部門間で連携できている事業者は、そうでない事業者と比べて「想定した効果が得られた」と回答した割合が明確に高くなっています。「誰がどの部門でどう使うか」を整理することが成否を分けます。

DXはゴールではなくその先にある

DXとは「デジタル技術を用いてビジネスモデルや企業文化の変革に取り組むこと」と白書では定義しています。クラウド会計の導入や業務のペーパーレス化はその入口です。多くの中小企業にとって、今やるべきことは既存のツールを全社で使いこなしデータを経営判断に生かせる状態をつくることです。デジタル化を「コスト削減」と捉えるか「稼ぐ力への投資」と捉えるか――その発想の違いが、次のステージへの扉を開きます。

DX化の実感は部門関連系が進んだ時ですね

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「定期同額給与」に該当する? 役員の子の学費を一括払いした場合

海外赴任者の「子女教育手当」

海外に駐在員事務所、支店や工場がある日本の会社では、海外に赴任する役員や従業員に様々な手当を設けている会社がほとんどです。役員・従業員が家族を伴って赴任する場合には「子女教育手当」として、帯同する子女の学費(入学金、授業料、スクールバス代、施設維持費)や学校に対する寄附金を会社が負担するケースがあります。

学校の選択肢としては、現地校、日本人学校やインターナショナルスクールなどがあり、1人当たり年間50万円から400万円と幅があるため、会社によっては上限額を設けていることもあります。

役員の子の学費を会社が一括払いした場合

国税庁HPの質疑応答事例では「法人が役員の子の授業料を一括して支出した場合(定期同額給与)」が掲載されています。

照会内容を要約すると、役員に対する毎月の給与のほかに、役員の子が通う学校の授業料を会社が負担し、1年分の授業料を学校に一括払いしたというもの。この手当は、その会社の法人税法上の「定期同額給与」に該当するかというのが照会内容です(所得税法上「現物給与」として給与課税している前提での照会になります)。

「定期同額給与」とは、法人税法上、損金の額に算入することができる役員給与の類型の一つ。法人税法では、「定期」かつ「同額」で支給するものとされています。

<定期同額給与の要件>

定期その支給時期が1月以下の 一定の期間ごとであること
同額その事業年度の各支給時期に おける支給額が同額であるもの

一見「定期同額給与」と思えないが…

一括払いした授業料は、定期同額給与に該当しないように思えますが、この質疑応答事例では「該当する」としています。

役員に対して「継続的に供与される経済的利益」のうち、供与される利益の額が「毎月おおむね一定」であるものは、「定期同額給与」として取扱われます。この場合、負担した費用の支払形態や購入形態により判定するものではないとしています。一般に授業料は、在学契約により役員の子が継続的に受ける教育役務の提供の対価なのだから、役員に対して給与を支給したのと同様の経済効果が継続的に(毎月おおむね一定に)もたらされているということのようです。

毎日、ちゃんと勉強しないといけないね! 

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