省力化投資補助金 採択データを読む

採択1,176件の意味

中小企業省力化投資補助金の第6回公募について、令和8年8月28日に採択結果が公表され、採択件数は1,176件にのぼりました。この補助金は、人手不足に悩む中小企業がロボットやIoTなどの設備を導入する際に、最大8,000万円(大幅な賃上げを行う場合は1億円)もの補助が受けられる、懐の深い制度です。

今回の結果を見ますと、製造業が全体の半数以上を占める一方、建設業、卸売業、宿泊業、飲食サービス業など実に幅広い業種で採択者が出ており、特定の業種に偏った制度ではないことが改めて確認できました。

小さな会社にも追い風

都道府県別では大阪府が131件、東京都が120件、愛知県が102件と大都市圏が上位を占めていますが、47都道府県すべてから採択者が出ています。

従業員規模別に見ますと、6人から10人という比較的小さな体制の会社が最も多く採択されており、資本金1,000万円から2,000万円未満の企業が全体の3割を超えています。つまり、地域の町工場や小規模な運送会社、宿泊施設であっても、申請書の練り方次第でしっかりと採択を勝ち取れる制度だということです。

採択へのポイントは

採択事例を見ますと、工作機械や自動封緘機、セルフチェックイン端末などを導入し、作業時間を大幅に減らした計画が高く評価されています。ポイントは、設備を入れるだけでなく、空いた時間や人員をどの業務に振り向け、売上げや利益をどう伸ばすかまで数字で描けているかどうかです。今のうちに導入したい設備の見積りを取り、労働生産性をどれだけ引き上げられるか試算しておくことをおすすめします。

動き出すなら今です

補助上限額は従業員数に応じて段階的に設定されており、小規模な会社でも申請しやすい仕組みになっています。採択結果が示すとおり、業種や規模にかかわらずチャンスは開かれています。

設備投資を検討されている方は、公募開始を待つのではなく、今のうちから事業計画のたたき台づくりに着手されることを強くおすすめいたします。

これで夜間も安心して稼働、朝には仕事がどんどん進んでいます!

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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)

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消費税に関する取り決めが曖昧なままではありませんか?

報酬分配契約で消費税条項が曖昧であった

 令和8年(2026年)7月2日の東京地裁判決は、俳優のXさんが元所属事務所に対し、受領した出演料に消費税分が含まれていなかったとして約500万円の不当利得返還を求めた訴訟で、事務所側に予備的主張である約206万円の支払いを命じました。

判決の中では、契約書に明文の定めはないものの、事務所が制作会社から消費税を受領しつつ俳優へは取り決めていた本体価格の6割を内税方式で支払っていたこと等から、消費税分を上乗せして支払う合意があったと推認しました。そして、請求者が実際に消費税の申告・納付をしていた課税事業者期間について事務所側に不当利得の成立を認め、その支払いを命じました。一方、免税事業者であった期間についての請求は認められませんでした。

本判決の射程(=影響が及ぶ範囲)

 本事案は、芸能界の不透明な契約慣行や、タレントが弱い立場に置かれやすい構造が招いた問題と言えます。

 別の業界で同じような立場に置かれているだろうと考えられるのが、一人親方(建設業などの個人事業主)です。建設業界でも「元請けから消費税分が支払われていない」「税込か税別か曖昧なまま発注されている」というケースが多いため、一人親方にとっても実務上重要な影響があるでしょう。

ご自分でも未払い分を請求できる可能性があると考える方には、弁護士さんに相談してみることをお勧めします。

消費税に関する取扱いを明確にしておこう

消費税の申告や納税で不当な損失負担を被らないようにするにはどのような対策をしておけばよいのでしょうか。

(1)納税義務者・登録事業者

 契約書の見直しで、消費税条項でその取扱いを明確にしておくことが望まれます。契約書の改定が難しい場合は、見積書や注文書に「外注費〇〇円+消費税10%」や「消費税相当額を上乗せして支払う」旨の文言を明記してもらうようにしましょう。この時、財務省が発行している「消費税転嫁対策特別措置法の概要のリーフレット」なども勉強して対処してください。

(2)免税業者の場合

免税業者は経過措置での控除割合が減っていくので価格交渉は厳しいと思います。登録業者にすべきか現状のままでどのように価格交渉をすべきかを会計事務所にご相談されることをお勧めします。

免税業者は経過措置が8割控除→7割控除→5割控除→3割控除と減っていき、2031年10月以降は控除なしになります。価格交渉もタフになります。

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