未稼動資産の会計・税務

半導体大手、新設工場4工場が未稼働

 日経新聞によると、日本の半導体大手企業が新設工場として2023年以降に竣工した国内工場の7工場のうち、2025年4月末時点で4工場が本格稼働していないとのことです。日本国内の半導体投資(2022~29年)は約9兆円規模の見込みですが、AI以外の半導体需要は低調で、世界的にも工場稼働率は上がっていないようです。

会計上は、営業外で償却し、減損を検討

(1) 会計上の減価償却

会計の考え方では、事業用資産として取得したものの、稼働を停止している資産(遊休資産)でも減価償却を行うことになります。ただし、「原価計算基準」では「未稼働の固定資産」「長期にわたり休止している設備」に関する減価償却費等の費用は、非原価項目として例示されているため、損益計算書上は営業外費用により表示します。

(2) 会計上の減損処理の検討

将来の用途が定まっていない遊休資産は、「使用範囲又は方法について回収可能価額を著しく低下させる変化がある場合」として、帳簿価額を回収可能な価額まで減額(減損処理)することが求められることもあります。中小企業会計指針では、大企業ほど厳密な処理は求めていませんが、将来使用の見込みが客観的になく(資産が相当期間遊休状態)、かつ、時価が著しく下落している場合には減損損失(特別損失)を認識することとしています。

税務では原則償却NGだが例外がある

(1) 税務上の減価償却

税務では、事業の用に供されていない資産は、減価償却資産に該当しないものとされています。ただし、現に稼働を休止していても、休止期間中に必要なメンテナンスが行われ、いつでも稼働し得る状態にあるものは、減価償却が可能です。また、生産を相当期間にわたり休止した場合、休止期間の償却費は、製造原価に算入しなくても構わない(原価以外の費用)とされています。

(2) 税務上の評価損の検討

 税務では資産の評価損は原則として認められていません。ただし、「その固定資産が1年以上にわたり遊休状態にある」又は「その固定資産がその本来の用途に使用することができないため他の用途に使用された」という事実があった場合に、時価までの金額の範囲内で損金経理した評価損の損金算入が認められています。

会計と税務のギャップを意識しましょう。

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譲渡制限付株式報酬の会計・税務

増えている「譲渡制限付株式報酬」

 上場会社では、「コーポレートガバナンス・コード」(2015年)の施行後、株式報酬制度を導入する会社が年々増加しています。

経団連の資料によると、2023年10月時点で、全上場企業(約3,900社)の約6割が株式報酬制度を導入しており、そのうち約1,400社が「譲渡制限付株式報酬」を利用しているそうです。「譲渡制限付株式報酬」とは、一定期間(対象勤務期間)の譲渡制限が付された株式(RS:リストリクテッド・ストック)を付与するものをいいます。

会計処理は費用を一定期間で按分計上

事前交付型の場合、発行法人は、株式交付時の株価(公正な評価額)を譲渡制限期間にわたり、「株式報酬費用」を期間按分して費用計上します。付与時は、役員等の個人に金銭報酬を与え、それを現物出資させて株式(RS)を交付する形を取ります。

<交付時・公正な価額120の場合>

(前払費用)120 (報酬債務)120 (報酬債務)120 (資本金等)120

 例えば、3月決算法人で譲渡制限期間がX1.7~X2.6ならば、2期(X1・X2)にわたり、前払費用を費用に振り替えていきます。

<譲渡制限期間の会計処理>

X1(株式報酬費用)90(前払費用)90 X2(株式報酬費用)30(前払費用)30

税務は譲渡制限解除日に給与等として認識

 税務では、特定譲渡制限付株式に該当するRSについては、個人(役員等)側で譲渡が可能となる日に給与等と認識されるため、発行法人側は、その譲渡制限の解除があった日(X2.6.30)の属する事業年度(X2)において、給与等として認識します。

<譲渡制限解除があった年度の税務処理>

X2(役員給与等)120(前払費用)120

届出不要となる事前確定届出給与を検討

 役員に支給する場合には、事前確定届出給与等に該当しないと、発行法人側は損金算入できません。ただし、株主総会等の決議日から1か月を経過する日までに特定譲渡制限付株式を交付する定めがある場合、「届出が不要となる事前確定届出給与」に該当しますので、検討しましょう。

<届出不要となるスケジュール例>

・株主総会決議日 X1・6・30 (職務執行開始日 X1・6・30) ・特定譲渡制限付株式交付 X1・7・28
インセンティブ効果と引き止め効果が期待できる報酬制度です

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