働き方改革について今年度内に行うこと

「⑩のチェックシート」で確認を

日本商工会議所は「中小企業のための働き方改革⑩のチェックシート」(https://www.jcci.or.jp/20201111_checksheetjcci.pdf)を作成しました。これは、2019年4月から順次施行されている働き方改革関連法について、対応状況を確認するためのツールです。

大きくわけて、以下の3つが対象です。

  • 時間外労働の上限規制
  • 年次有給休暇の取得義務化
  • 同一労働同一賃金

①と②については、すでに中小企業も適用対象となっているため、制度としては導入されていると思いますが、実際の運用状況についてはいかがでしょうか。労働時間が上限ぎりぎりになっていないか、有給休暇を年度内に5日取得できそうか、勤務表を確認し、必要に応じて業務量の調整を行いましょう。

より改善を行うためには、厚生労働省の診断ツールがあります。同じ業種の他社との比較分析や、参考事例の入手もできますので、活用してみましょう。(「働き方・休み方改善指標」を用いた自己診断 | 働き方・休み方改善ポータルサイト (mhlw.go.jp)

同一労働同一賃金の対応

 一方で、③同一労働同一賃金の対応はいかがでしょうか。

中小企業への適用は2021年4月からスタートしますが、日本商工会議所の10月の調査では、中小企業のおよそ半数について、準備が進んでいないという結果がでています。その大きな要因としては「わかりづらさ」があげられています。様々なセミナーも開催されていますが、まだ対応ができていないという場合には、「同一労働同一賃金まるわかりBOOK」(roudoubook.pdf (tokyo-cci.or.jp))に目を通してみましょう。厚生労働省のガイドラインや2020年10月に出された最高裁判所の判決も踏まえながら、具体的な対応策が各待遇・手当ごとに整理されています。助成金や支援ツールの情報も確認できます。

日本商工会議所は、印刷したガイドブックをセミナーや全国各地の商工会議所窓口、経営指導員による巡回指導等で配布するとのことです。

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贈与税の配偶者控除と登記

居住用不動産を贈与したときの配偶者控除

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除(配偶者控除)できます。

この特例の適用を受けるには贈与税の申告書と次の書面の提出が必要です。

①贈与日後10日経過後の戸籍謄本・抄本

②同戸籍の附票の写し

③居住用不動産の登記事項証明書等

店舗兼住宅の持分贈与を受けた場合

店舗兼住宅について、例えば居住用部分の50%の贈与をしたとして、登記面ではそれが全体の25%の持分贈与と表記されたとしても、居住用部分のみの贈与と扱われることになっています。

また、居住用部分がおおむね90%以上の場合は全て居住用不動産として扱うことができます。

居住用不動産贈与と相続税の扱い

配偶者控除適用居住用贈与不動産は、相続開始前3年内贈与加算の対象外です。

また、その贈与が相続開始年になされた場合は、その居住用不動産のうち、贈与税の配偶者控除があるものと仮定して控除される部分は、相続税の課税価格に加算されず、相続税の対象となりません。

所有権移転登記は要件か?

贈与の対象となった居住用不動産の登記事項証明書の添付は、この贈与税の配偶者控除特例の適用要件でした。でも、贈与による所有権移転登記そのものは、適用要件ではありません。

それで、平成28年に、贈与による居住用不動産取得の事実が確認できる書類を添付する事に省令改正されました。登記事項証明書は、その事実確認書類の一つの例示例となっています。

登記を要件にできない色々な理由がある

登記には第三者対抗要件はあるものの、義務ではなく、任意なので、税法の適用要件に登記を義務づけることは憚られるのだと思われます。

それに、店舗兼住宅での登記のように、居住部分のみの登記は受け付けられないし、大きな敷地の一部の居住部分の贈与の場合、分筆等が必要となる場合などを考慮すると、測量費なども含め、登記費用負担が居住用不動産贈与の特例適用の妨害要因になってしまうからなのだと思われます。

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