これからのテレワークと労務管理

コロナ禍のテレワークからわかったこと

テレワークは、これまでも働き方改革の観点などから推奨されてきましたが、思わぬコロナ禍により、多くの企業が準備を十分にできないまま実施していると思われます。厚生労働省は、この状況について調査結果等から検討した「これからのテレワークでの働き方に関する検討会報告書」(000711687.pdf (mhlw.go.jp))を公表しました。

もともとテレワークの効用として、従業員のワークライフ・バランスの改善により、離職防止や人材確保につながることが言われていましたが、調査結果からもそれが確認されました。これは「従業員の通勤負担の軽減」が大きな要因と考えられます。従業員を対象にした調査でもメリットとしてあげられており、「時間の節約」とともに「心身の負担の軽減」につながっています。

テレワークをやってみたことで感じた良い変化、新たな気づきとしては、「管理職や経営層の間でテレワークの利用が進んだ、理解が深まった」が多く、次に「テレワークではできないと考えていた業務が、できることが分かった」となっています。

課題を明確にし、良質なテレワークを

一方で課題も多くあります。労務管理上の課題としては、①人事評価、②人材育成、③労働時間管理、などが主要な論点です。対応策として、①については評価や報酬制度の内容をより具体化すること、②はオンラインと対面を組み合わせることの有用性、③はフレックスタイム制や事業場外みなし労働時間制がなじみやすい、などの提言がなされています。

「まずはポイントを知りたい」という方は、リーフレット(000716163.pdf (mhlw.go.jp))でご確認ください。より詳細な参考資料や相談窓口も記載されています。

また、テレワーク相談センターの機能拡充も行われたので、活用していきましょう。(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15912.html

報告書では、フランスの「つながらない権利」を取り上げています。メールをする時間帯を制限することなどにより、長時間労働防止につなげるものです。これまでの知見を活かし、より良質なテレワークの体制を作っていきましょう。

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譲渡費用の範囲

譲渡費用の範囲は通達に例示されるほか、判例の積み上げから判断されています。通達では、譲渡費用は資産の譲渡のために直接要した費用、及び資産の譲渡価額を増加させるため譲渡に際して支出した費用としています。(直接必要性)

判例:土地改良区決済金事件

平成18年最高裁判決「土地改良区決済金事件」は、従前の概念(直接必要性)にとらわれず「譲渡費用に当たるかは、一般的、抽象的に当該資産を譲渡するために必要であるかによって判断するのでなく、現実に行われた資産の譲渡を前提として客観的に見てその譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかにより判断すべきもの」であると判示しました。(客観的必要性)

個別通達のみを改正

最高裁判決を受け土地改良区決済金について譲渡費用であることを認める個別通達が発遣されましたが、譲渡費用の範囲を示す基本通達は改正されず、その後、譲渡費用該当性を争った裁判では、客観的必要性に当たらないとする判決が続いています。

課税庁は最高裁判決の後も従前の解釈(直接必要性)を変更せず、土地改良区決済金のように法令や当事者間の契約など個別事情のあるものにのみ限定して客観的必要性を認めているものと思われます。

取得費と譲渡費用の相互性

不動産売買の仲介手数料は、資産を取得するため支出された場合、取得費付随費用となり、また売却のため支出された場合は、譲渡のために直接要した費用として譲渡費用になります。その他、土地譲渡の際の建物取壊し費用、立退料もそれぞれ取得費付随費用または譲渡費用となります。

このことから取得費と譲渡費用には相互性があり、取得費に該当するものは譲渡費用にも該当し、また、その逆も成り立つ関係にあるといえます。

抵当権抹消費用も譲渡費用となる?

金融機関からの借入で土地を取得するとき、借主が負担した抵当権設定費用は、土地の取得費を構成しますが、売主が抵当権抹消費用を負担した場合は譲渡費用になるとする意見と、ならないとする意見があります。しかし、取得費と譲渡費用の相互性の観点からすれば、売主負担の抵当権抹消費用も譲渡費用になるといえるのではないでしょうか。

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