利益の資本組入れをしていた過去の記録

増資のために利益を使う

 資本金100万円の会社が増資して1000万円にしようとする場合、利益剰余金を資本に組入れるという方法があり、<利益剰余金900/資本金900>という仕訳になります。ただし、税務上は、株主出資部分の資本金等の額と会社稼得利益の利益積立金額とは明確に区分されていますので、利益剰余金の資本組入れを行った場合でも、資本金等の額と利益積立金額に変化はなく、資本金等の額は、増資後であっても100万円のままで、利益積立金額も同じままです。

以前は違う取扱いだった

 この様に扱われることになったのは、平成13年の税制改正からで、この改正後の別表五(一)は、利益積立金だけの明細書ではなく資本積立金の明細書にもなりました。

この改正前までは、利益剰余金を資本に組入れると配当可能利益を一旦金銭で分配し、ここで20%のみなし配当課税が行なわれ、しかる後にみなし金銭出資で増資したものと考えられていました。

最低資本金制度への対応の利益組入れ

 なお、利益の資本組入れに係るみなし配当課税についても例外があります。平成3年に商法が最低資本金制度を導入し、5年以内に資本金を1千万円(有限会社は300万円)以上にするべきとしました。この時、税法は、この5年間に利益の資本組入れをしても、最低資本金に達するまでの金額に係るみなし配当に対して、これを非課税とするという特例を設けました。

非課税とは課税繰延べ

 ただし、課税みなし配当でのみなし金銭出資なら、その出資額は株式の取得価額を構成しますが、非課税みなし配当でのみなし金銭出資については、株式の取得価額を構成しないとされました。みなし配当非課税の意味は、その株式の将来の譲渡時に譲渡所得課税で取り返すので、それ迄の課税繰延べ、ということだったのです。

課税繰延べ実現時に注意

 M&Aでの株式譲渡、会社解散、資本の分配などにより、株式の譲渡所得の計算をすることとなるときには、この課税繰延べの履歴が関係することになります。しかし、最低資本金制度の非課税特例の適用を受けていたかどうかは、法人税の申告書や決算書をみても判別できません。平成3年4月~平成8年3月の間に最低資本金までの増資をしている場合は、その可能性が高いと言えます。

最低資本金への増資の特例を受けていたかどうか、記録を見つけにくいな。

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老人ホームへの入居と税法特例の適用の可否

老人ホーム入居後自宅売却

 居住用家屋を空き家にして夫婦で老人ホームに入居したケースで、入居後に、居住用不動産の所有者だった夫がそれを売却したときは、入居から3年経過後の年末までなら居住用財産譲渡の3000万円特別控除の特例の適用があります。その間の建物の用途は問われません。親族に使用させていても構わないし、貸家として第三者に賃貸していても可です。

相続配偶者の小規模特例適用と売却

 老人ホームで夫が亡くなり、配偶者が空き家のままだった自宅を相続する場合には、相続税の小規模宅地の減額特例は、取得者が配偶者であるため無条件に適用できます。その後、その配偶者が老人ホームに入居継続のまま相続した自宅を譲渡した場合には、居住用財産譲渡の3000万円特別控除の特例は適用できません。最高裁判例が「所有者として居住の用に供していたことがない」とこの特例の適用は出来ないとしているためです。事前に配偶者への居住用財産の2000万円非課税贈与を適宜な時期にしていたら、よかったところです。

相続配偶者の空き家特例適用の要件①②

 それではこの場合、相続空き家譲渡の3000万円特別控除の適用は、どうでしょうか。こちらについては、相続開始時の被相続人の居住用という要件①については、要介護認定等を受けての老人ホームへの入居の場合なら、その入居時において居住用であることを要件充足としているので、これはクリヤーできそうです。でも、もう一つ、老人ホーム入居直前の独居状況も要件②としているので、夫婦一緒での入居の場合は適用となりません。

「家なき子」相続の場合の小規模特例適用

 また、この譲渡を実行せず、そのままこの配偶者が老人ホームで亡くなった場合、次の子供達への相続で、「家なき子」の要件を充足する相続人がいたとして、その者が相続した時は、小規模宅地の特例の適用は可能でしょうか。被相続人は、老人ホーム入居直前に於いて居住用に利用していましたものの、その時は所有者ではありませんでしたが、この場合の判定の結果は、適用可です。所有者であることを前提とする法令上の要件規定や先行判例が無いためです。東京国税局の文書回答事例でこれを是とする見解がネット上で公開されています。

最高裁判決には判事の反対意見がありました。空き家控除の独居規定も改正を検討すべきです。

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