有期雇用契約者と雇用保険の離職者区分

離職理由による所定給付日数の違い

雇用契約で期間の定めある人が契約を更新し、その後退職した場合に自己都合による退職、契約期間満了の退職、雇止めによる会社都合退職いずれになるのか、離職理由で雇用保険の所定給付日数にも影響があるのでその内容を知っておきたいものです。

 会社都合退職による離職は倒産解雇等による離職の場合ですが、契約期間満了の場合でもその事由によっては会社都合退職と同等の特定受給資格者に該当する場合があります。期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと等特定理由離職者に該当することもあります。

この場合は所定給付日数が通常の自己都合退職の場合より多くなります。

どれに該当するのかのポイント

契約期間の満了による離職は雇用期間の年数や契約更新の確約があったのか、労働者本人の更新希望の申し出はあったのかなどによって特定受給資格者、特定理由資格者、一般の受給資格者に分かれます。

  • 雇用契約書に「更新する場合がある」と記載されているときは更新の確約はされていないと判断されます。
  • 退職する有期雇用契約者は会社へ契約更新の申し出はしたのか。していれば特定理由離職者、していなければ一般の受給者になります。この場合は一般受給資格者でも給付制限はありません。
  • 雇用保険の受給資格は原則離職の日以前2年間に12か月以上の加入が必要です。会社都合退職は離職の日以前1年間に6か月以上の加入期間が必要です。

雇用期間3年未満の人の離職者区分

有期雇用の人がどの区分になるかを見る前提として次のA・Bがあります。

A. 会社と雇用期間の更新確約の有無

B. 労働者からの更新の申し出の有無

・A無B有(当初より「更新無」の場合)

契約期間満了による一般受給資格者

・A無B無……同上

・A無B有(当初より「更新する場合がある」の場合)……特定理由離職者

・A無B無(同上)……契約期間満了一般受給資格者

・A有B有(特定受給資格者2022/3/31迄)

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夫婦共同扶養の場合における被扶養者認定基準の明確化

夫婦共同扶養の健保被扶養者の新基準

 厚生労働省は夫婦共同扶養(いわゆる共働き世帯)における被扶養者の新認定基準を公表しました。

従前の取り扱いでは夫婦共同扶養において子供などを健康保険上の被保険者とする場合には、年間収入(当該被扶養者届が提出された日の属する年の前年分の収入)の多い方の被扶養者とすることが原則となっていました。

この度、年収がほぼ同じ夫婦の子について保険者間(それぞれの健保組合)いずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態になるのを避けるため、新たに基準が設けられました。

夫婦共働きで各々健保加入している場合

  • 被扶養者とすべきものの員数にかかわらず被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだものとする)が多い方の被扶養者とする。
  • 夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は被扶養者の地位の安定を図るため届け出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。
  • 夫婦双方又はいずれか一方が共済組合の組合員であって、その者に被扶養者とすべきものに係る扶養手当又はこれに相当する手当の支給が認定されている場合には、その認定を受けている者の被扶養者として差し支えない。なお扶養手当等の支給が認定されていないことのみを理由として認定しないことはできない。
  • 被扶養者として認定しない保険者は当該決定に係る通知を出し、その理由、標準報酬等を記載し通知する。
  • ④により不認定に係る通知を出した保険者と次に届け出された保険者との間で協議を行い、協議が整わない時は初めに届け出を受理した時点の標準報酬の高い方の被扶養者とする。標準報酬が同額であれば主として生計を維持する者の被扶養者とする。
  • 夫婦の年間収入に係る添付書類は保険者判断として差し支えない。

以上のように、過去の収入だけでなく過去現在、将来の収入も見越して扶養の判断がなされることになりました。

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