プロラタ計算のあるべき姿

プロラタ計算を使うことにした理由は何

 混合配当訴訟事件で、最高裁から違法無効と判決された政令規定は、プロラタ(比例配分)計算規定と言われているものです。

このプロラタ計算規定は、平成13年に登場し、平成18年に現在形に変わっています。

混合配当訴訟での当局側の主張では、税務の「資本金等の額」と会計の「資本金」及び「資本剰余金」の合計額とは一般的には一致しないので、法人税法は、資本剰余金の配当では、その原資は資本と利益とからなるものと考えている、と述べています。

税務大学校の公開論文では、残余財産の一部分配と資本の一部の払戻しとを一つの条文に一括して会社清算型の先取りをしている、と指摘しているものもあります。

会計への不信を基に税制を歪めていないか

 プロラタ計算導入の理由を追うと、会計の資本には利益が混入されているから、という会計への不信が推測されます。

しかし、圧倒的多数の中小企業の会計の実態は税務会計であり、資本への利益の混入や利益への資本の混入の常態化とはほとんど縁がありません。そういう立場からは、資本の一部の払戻しについて、これを資本と利益に分けることに道理を感じられません。資本と利益との混同の事実がないのに、法令で在りもしない架空の混同の排斥計算を強制する事は、税法サイドからの、利益への資本混入の強制となります。

確かに税法は、資本と利益の混同を厳しく排して、別表五(一)で混同していない資本と利益を確認する作業をさせています。それならば、会計不信の観念に従うのではなく、混同の事実の有無に従うべきです。

資本金等と(資本金+資本剰余金)の比に

課税の先取りなどという恣意がないのなら、税務が、資本と利益の混同を厳密に排していることを前提に、会計に於ける資本(資本金+資本準備金+資本剰余金)と税務における資本金等との比にすればよいはずです。

会計資本が1000万円で、税務の資本金等の額が100万円なら、この比をプロラタの比にすればよいはずです。

500万円の資本剰余金の分配なら、

500万円×資本金等100万円÷会計資本1000万円=50万円(資本金等の減少額) 
 500万円-50万円(資本金等の減少額)=450万円(みなし配当)

というプロラタ計算です。

会計の資本と利益の混同を批判するなら自らも襟を正せ

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2022年物価値上げと今年のふるさと納税のタイミング

10月に値上げラッシュ

 小麦などの原材料価格や、エネルギー価格などの値上がり、円安による輸入物価の上昇が複合的に重なり、この秋(10月1日を筆頭として)に値上げラッシュが続いています。値上げ前に買い込んで貯蔵しておくにも、かさばるものや賞味期限があるものは、制限があります。大量購入で安くなるところを探すか、消費量を節約するかといった方法もありますが、限度があります。

値上げラッシュはふるさと納税にも連動?

 値上げが反映されていない(=値上げ時期が遅れている)ところがあればそこから賢く調達できます。日々の仕入れで価格変動の反映が機動的なスーパーなどは値上げがすぐに実施されるでしょうが、どこか価格への反映のタイミングが遅いところはないでしょうか。

 予算と会計年度が4月から翌3月と決まっている自治体では反映のタイミングが遅れそうです。10月1日の前後で、値上げされた商品が、ふるさと納税の返礼品でもその寄附額が引き上げられているのかどうか、いくつかの自治体の返礼品設定金額を観察してみました。

 品種によって価格の違いがある小麦粉などではなく、価格比較のわかりやすいビール(350mℓ24缶-多くの自治体で15,000円の寄附金で選べた返礼品)で調査しました。

 ビール類はオープン価格ですが、10月1日から6~10%の上昇が見込まれていました。これに連動するとすれば、寄附金設定額も15,900円~16,500円となり、新規設定は16,000円程度と予想されました。

 10月になっていくつかの自治体を調べてみたところ、15,000円で据え置きのままのところと、予想通り16,000円に改定されている自治体がありました。予算時期に合わせて値上げの反映が遅れる自治体があるという予想は当たっていました。ただし、10月中旬時点で日を追うごとに金額改訂の自治体が増えています。3月を待たずに切り替わってしまう可能性も大です。

物価値上げとふるさと納税での調達

 この観察から学べたことは、「物価上昇に連動してふるさと納税返礼品寄附額も変動するが、少し遅れる自治体もある」ということです。例年、ふるさと納税の寄附は年間の課税額が年末調整で確定してから駆け込みでという方が多いと思いますが、2022年は、世の中の物価上昇の流れを読んで流動的に動くことをお勧めします。

ちょっとした差でも得した気分になれば余計にふるさと納税をありがたく思うかもしれません。

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