国外払いの源泉所得税の特例 「みなし国内払い」とは?

非居住者等への支払いには要注意!

 経済のグローバル化が進む中で、中小企業でも、海外の非居住者や外国法人との取引が増えてきました。このような取引が増えると、支払事務に際して、源泉徴収義務が生じるケースも多くなります。いろいろと税法のルールの確認が必要です。

例えば、非居住者等の国内源泉所得の支払を行った場合、「納税地」はどう考えればよいのでしょうか? 原則的には、「支払事務を取り扱う事務所等の所在地」が源泉所得税の納税地となります。この場合、「支払地」自体ではなく、「支払事務をどこで行っているか」が判断のポイントとなります。

「支払事務を取り扱う場所」とは?

 次の事例は、国内源泉所得が「国内払い」で行われたものとして取り扱われます。

<事例1>

当社(内国法人)は、A国の外国法人から日本での特許使用許諾を受け、使用料を支払うこととなった。たまたま、役員がA国に出張するため、現地で支払った。

 この場合、使用料の対価に源泉所得税(国内法では20.42%)が課され、支払事務(支払額の計算、支払資金の用意、支払の一連の手続)が国内で取り扱われたと考えます。源泉所得税の考え方では、この支払は「国内払い」と判定され、支払月の翌月10日までに徴収額を納付する必要があります。

「みなし国内払い」とは?

 ただし、支払が「国外払い」であっても、「国内払い」とみなされる場合もあります。

<事例2>

当社(内国法人)は、B国の外国法人が有する日本所在の土地の譲渡を受けた。譲渡対価は、当社のB国支店が現地で開設した銀行口座から外国法人の口座へ送金した。

この場合、土地の譲渡対価に源泉所得税(国内法では10.21%)が課されますが、支払事務を取り扱う場所が国外(B国支店)にあり、日本国内には源泉所得税の納税地は存在しません。ただし、支払者(当社)が国内に事務所等を有する場合(この事例では当社の本店が日本)は、国内で支払うものとみなして源泉徴収を行うこととなります(みなし国内払い)。このときの納期限は、支払月の翌月末日となり、通常の国内払いの翌月10日より少し猶予があります(海外送金や円換算など事務負担を考慮)。

相手とも日本の源泉徴収の情報は共有しておきたいですね

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保険差益の圧縮記帳

事業における火災保険の重要性

 最近、火災のニュースが多いですね。

自社の店舗や工場からの失火を防ぐことは勿論ですが、隣家などからの「もらい火」の恐れもあります。この場合、明治時代からある失火責任法という法律により、重大な過失がない限り、賠償責任を問えません。自社の火災保険で手当することになります。

補償対象は、建物や設備、在庫品の損害や、消火活動にかかった費用、休業損失をカバーしたものなど契約により様々です。

<一般的な保険金の請求書類>

・保険金請求書や事故報告書など (加入している保険会社所定のもの) ・罹災証明書(市町村が発行) ・工事見積書(建設業者・修理業者) ・被害の写真、登記簿謄本、印鑑証明など

法人税の「保険差益の圧縮記帳」とは?

このような保険金が入金されたときに、法人税が課税されてしまうと、代わりの資産を取得する金額が目減りすることになり、事業の継続に関わります。そのため、法人税法では、保険金が滅失した固定資産の簿価を上回っている場合には、「保険差益の圧縮記帳」という制度が用意されています。

この制度は、保険差益(保険金-経費-帳簿価額)を、滅失した資産の代わりに取得する資産の取得価額から減額(圧縮)し、圧縮限度額までの金額を所得金額から控除するというものです(一時的な課税の繰延べ)。

<適用要件>

・ 固定資産の滅失等により保険金等の支払を受けていること ・ 保険金等により代替資産(滅失資産と同一種類の固定資産)を取得すること ・ 圧縮記帳の経理処理を行っていること(損金経理又は積立金経理)

<具体例>

 国税庁HPには次のような具体例が挙げられています。

・滅失資産の直前簿価 1,000万円(A) ・滅失により支出した経費 50万円(B) ・保険金等の額 2,000万円(C) ・取得した代替資産の取得価額 3,000万円(D)

この場合、保険差益の額は、差引保険金(C-B)から滅失資産の簿価(A)を差し引いた950万円となります。この例では、差引保険金(C-B)が代替資産の取得価額(D)にすべて充てられているため、保険差益の額がそのまま圧縮限度額となります。

圧縮記帳は「課税の繰延べ」の制度です。

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