−相続空き家の特例−建物解体費の譲渡費用該当性

     ※ たかの会計Dairyコラムの次回更新は令和8年1月5日になります。(1月6日分)

土地や建物を売却した場合、譲渡所得金額の計算上、譲渡費用は取得費とあわせて資産の譲渡収入金額から控除できます。

「直接的必要性」と「客観的必要性」

譲渡費用は、「資産の譲渡に要した費用」とされます。国税庁タックスアンサーでは、譲渡費用を「土地や建物を売るために直接かかった費用」とし、直接的必要性が強調されています。

一方、所得税基本通達では、譲渡費用の例示として「土地(借地権を含む)を譲渡するため、その土地の上にある建物等の取壊しに要した費用」としており、直接的必要性は記載していません。これは、平成18年最高裁判決を契機に発遣された譲渡費用の範囲についての個別通達、土地改良区内の農地を転用目的で譲渡した際、土地改良区に支払われた農地転用決済金等を譲渡費用とする措置を受けたものと思われます。

この裁判では、譲渡費用を従来の「直接的必要性」要件にとらわれず、「現実に行われた資産の譲渡を前提として客観的に見てその譲渡を実現するために当該費用が必要であったかどうかにより判断すべきもの」とし、新たに「客観的必要性」要件が判断基準として示されました。この「客観的必要性」の要件は、それぞれの譲渡における個別事情に照らして客観的に判断されることになります。

相続空き家の特例での譲渡費用該当性

相続空き家の特例で建物を耐震改修又は取り壊す目的は、耐震基準を満たしていない被相続人の空き家の発生を抑制する国の政策実現にあります。空き家を取り壊す場合は、更地で売却するか、あるいは建物と土地を先に売却したうえで、売却した年の翌年2月15日までに建物を取り壊すことが税法上、必要となりますので、解体工事費には土地売却のための客観的必要性があるものと思われます。

また、特例の適用には相続開始時から取壊し又は売却までの間、建物、土地を賃貸用、事業用、居住用に供しないこと、建物解体後は土地の売却まで建物や構築物の敷地の用に供しないことなど利用制限が課されますので解体工事費の直接的必要性は高まります。さらに、特例の適用期限は相続開始から3年経過する日の属する年の12月31日までですが、建物解体工事の後、媒介契約、売買契約、引渡しに至るまでの期間を速やかに進行させることにより、直接的必要性は説明しやすくなるものと思われます。

耐震改修工事を行って売却する場合、工事費は取得費となります。

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令和8年1月から改定 源泉徴収税額の変更

税務署が大変だから代わりにやっている?

 源泉徴収とは、会社で働いたり副業で報酬を貰ったりした際に、国に払う税金を支払元があらかじめ天引きして、代わりに支払ってくれる制度です。もし、会社勤めの方が全員自分で税額を計算して直接国に支払うことになれば……税務署の仕事がものすごく増えてしまいますし、給与等を受け取った人の負担も増えることになります。

サラリーマンが税金について気を付けていなくとも、誤りなく納税が済むという反面、税金に対する関心が薄くなる元凶という声も少なくありません。

月々の税額はおおまかに徴収するが

 1年間の給与に対する所得税と、毎月源泉徴収する所得税の合計額は必ずしも一致しません。扶養親族の数の変動や、月々の徴収額に加味しない生命保険料等の控除があるからです。この過不足を精算するのが「年末調整」という作業です。

 令和7年の源泉徴収額を見てみると、月々の徴収額は令和6年から変更はありませんでしたが、実際には税制改正によって基礎控除等の改定があり、実際の税額が徴収額よりも低い方が多数です。ただ、令和7年中に令和7年の税額変更が決定されたため、月々の源泉徴収額を年の途中から変更するのが煩雑なので「全部年末調整で精算してくださいね」ということになりました。年末の給与支払い時に手取りが多くなった人が多いのではないでしょうか。

令和8年1月から源泉徴収税額の変更

 令和8年1月からは、月々の徴収額について、令和7年度税制改正の内容が反映された額となります。このため税制改正の影響を受ける方は令和7年に比べると、月の手取り額は少し大きくなります。

 国税庁が発表している「源泉徴収税額表」の令和7年分と8年分を見比べてみると、例えば控除対象扶養親族のいない方で社会保険等控除後の給与の金額が月額35万円の人は、徴収額が令和7年の12,340円に対して令和8年は11,490円で、千円弱の手取り増加となります。

 経理担当の方は今のうちに金額変更を把握して、誤りのないように準備しておきましょう。

令和7年は年末一気に。令和8年は月々こまめに。どっちが好きですか?

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