社員の通称使用は多くの企業が実施

 一般社団法人日本経済団体連合会が会員企業に氏の取り扱いに関する調査結果を公表しました。社員(役員含む)の通称(ビジネスネーム)の浸透や実態の問題点が浮き彫りになりました。81%の企業が通称使用を認めるが、課題も多いことがわかりました。

社員の通称(旧姓含む)使用は最近多くの企業が実施しています。メリットとして社員の業績の連続性が担保される、結婚・離婚などのプライバシーが保たれる、メールアドレスが変更不要といったところがあります。一方で戸籍名が必要とされる手続きもあるので、社内では戸籍名と通称の2つを使い分けすることで事務手続きも煩雑になります。

通称を認められない又は認めていないもの

 通称が認められないものとして一番多いのが税や社会保険の手続き書類の姓を挙げています。他に認められないものとして契約書や登記など公的な書類、出張時の航空券や宿泊の予約時の姓、資格が必要でそれを証明する書類は戸籍姓が多く使用されています。

認めていない理由は税務や社会保険書類の作成時に戸籍名を使う必要があるためです。健康保険組合、市役所、税務署などの公的機関から届く書類の配布時、手続きに照合が必要になり、手間が煩雑となるためです。

社員間でも通称と戸籍姓が違うというのは混乱のもととなっています。事実を知っている人事経理担当者としても変更された戸籍名の郵便物など配布先がわかりづらい、通称と戸籍名どちらで呼ぶのが良いか、さらにシステムの対応も通称使用が反映されていない、通称と戸籍上の姓のデータが統一されていない等で管理は煩雑になります。

女性管理職を対象にした調査では

 役職者の方については96%の企業が通称使用を認めています。しかし実態は54%が戸籍姓を使用し、旧姓の通称使用が可能でも88%の人は何らかの不便さ、不都合、不利益を感じているようです。

夫婦別姓制度の導入議論もありますが8割は別姓導入を支持しています。結婚・離婚にかかわらず企業の中でも働きやすい制度になるとよいですね。

吹き出し: 角を丸めた四角形: 国際的には、夫婦同姓としていた国が次々と法改正を実施し、現在、婚姻時に夫婦同姓しか選択できない国は日本のみとされています

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