3年に一度の評価替え
令和3年度は、3年に一度の固定資産の評価替えの年(基準年度)です。新しい評価額は、令和4年度、令和5年度まで3年間適用され、市区町村の固定資産税納税通知書および課税明細書に記載されています。
令和3年度は負担調整措置で前年並み課税
土地の評価には、負担調整措置があります。固定資産の評価額に対する税負担に地域や土地による格差があるのは税の公平の観点から問題があることから、負担調整措置により負担水準(評価額に対する前年度課税標準額等の割合)が高い土地は税負担を引き下げたり、据え置いたりする一方、負担水準が低い土地については段階的に税負担を引き上げます。
令和3年度は、評価替えを起因とする税額の上昇を抑えるため、前年度と比較して価格が上昇する場合、令和2年度課税標準額に据え置かれます。納税者の負担は令和2年と同じですが、評価額そのものは改定されているので、しっかり確認しましょう。
宅地評価は相続税と異なります
宅地は地方税法の定める「固定資産評価基準」により評価されます。固定資産税の路線価が設定される地域では、路線価に画地補正率を乗じ、さらに修正率を乗じて1㎡あたりの土地評価額を算定します(修正率は毎年設定)。なお、画地補正率は、市町村(東京23区は東京都)の条例で独自に定めて適用することができます。
固定資産税路線価は、相続税の路線価と異なり、基準年度の前年1月1日(令和3基準年度は、令和2年1月1日)の地価公示価格、または不動産鑑定評価額の概ね70%で設定されます。また補正率は、相続税の補正率と同様のものが設定されていますが、地区の区分や適用される数値は相続税と異なるので注意が必要です。また令和3年度の修正率は、令和2年1月1日から令和2年7月1日までの地価の下落状況を反映して路線ごとに設定されています。今年は減額修正されている路線が多くあります。
所有土地の評価額をチェックする
固定資産の評価額が税額計算のもとになります。 |
令和3年度の評価額は、納税者の側でも固定資産税の路線価、画地補正率、修正率を使用して算出できます。市区町村の固定資産税課に出向けば、土地評価額を閲覧できるほか、担当者に問い合わせて評価額の根拠を教えてもらうこともできます。一度ご自身で土地の評価を確認してみてはいかがでしょうか。
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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)
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