在職老齢年金の見直しと税負担の公平性

在職老齢年金の支給停止とは

 在職老齢年金は、60歳以降で厚生年金保険に加入しながら働く人に給付される年金です。受給者は給与と年金の両方をもらいますが、現役世代の年金負担が重くなる中、給与収入の一定程度ある者には年金制度を支える側にまわってもらおうという趣旨で年金支給の一部が停止されています。

 具体的には、賃金と年金額の合計が月額50万円(令和6年度)を超えると、50万円を超える金額の半分が年金額より支給停止されます(支給停止調整額)。令和4年度の支給停止者は50万人、支給停止額は4,500億円となっています。

年金受給者の就業調整が課題に

 一方、年金支給停止は働く高齢者の就業意欲を減退させ、年金支給が止まらないよう就労時間を調整する動機につながります。そこで人手不足の解消に向け、在職老齢年金制度の廃止若しくは支給停止基準額の引上げが検討課題になっています。

給与所得者のみの者と税負担の違いも課題

 給与所得と年金所得(雑所得)には税負担の格差も生じます。給与収入のある年金受給者には給与所得控除と公的年金等控除の重複適用を受けられます。このため同じ収入額であっても給与収入のみの者は、給与収入と公的年金等の両方を有する者と比べ、税負担が重くなります。例えば同じ600万円の年収であっても給与収入600万円のみの者は給与所得控除額164万円ですが、給与収入400万円、公的年金収入200万円の者は、給与所得控除額124万円、公的年金等控除額110万円、所得金額調整控除額10万円、計244万円と比べ、所得金額は80万円多くなり、税負担も重くなります。

給与と年金の控除金額は合計額に上限設定

 与党の令和7年度税制改正大綱は、「在職老齢年金制度の見直しが行われた場合には、公的年金収入が増加する者にはその年金収入の増加と併せて手取りが減少しない範囲で、また見直しによって年金収入に変化がない者については影響が生じない形で税負担額の調整を行う。具体的には給与所得控除と公的年金等控除の合計額の上限を280万円とすることとし、在職老齢年金制度の見直しの帰趨を踏まえ、令和8年度税制改正において法制化を行う」としています。

在職者に年金支給停止するのは日本だけ

 支給開始年齢以降、在職者の年金を減額する国は外国には見当たりません。働く高齢者を前提とした税制構築が期待されます。

まだまだ健康な限り働きたい。

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年収の壁と最低賃金の引き上げ

103万円の壁見直し賛成多数

2024年11月に帝国データバンクが行った企業アンケート(有効回答数1691社)において回答企業の約9割が「103万円の壁」の見直しに賛成していると報じられました。

「103万円の壁」とは、年収が103万円を超えると所得税が発生することを指すものです。この壁を意識して働き控えするパートタイムが多く人手不足の一因ともなっています。

 令和7年度税制改正大綱にて、基礎控除・給与所得控除の引き上げにより、「103万円の壁」は「123万円の壁」に変わることとなりますが、これで問題が全て解消するわけではありません。

最低賃金の上昇により壁はハードに

 昨今の最低賃金の引き上げは2024年の場合で全国加重平均が1,055円と毎年50円ほど上昇しています。大前提として企業は最低賃金以上の賃金を支払うことになります。最低賃金対応で時給単価を引き上げたとしても、労働時間を減らすことで月単位や年収単位での賃金を引き上げることは可能です。このようなことは人件費抑制のために行われるというより、いわゆる年収の壁の範囲内で働きたいという理由が働く側にあることが多いのではないかと思われます。働く側からすると最低賃金の引き上げによる収入増加よりも、年収の壁を超えることで負担が大きく結果として収入増加にならないからです。

労働時間管理での対応にはいつか無理が

 時給が上がった分、労働時間を短くすることで年収の壁に対応することは今後年々難しくなるでしょう。2024年のように前年比5%も最低賃金が上がるということが継続すると、毎年おおむね週1時間は減らさなければなりません。労働時間が短すぎると業務量をこなせないので、人手不足に拍車がかかります。時給の対象者だけでなく月給の人にも最低賃金は反映させるので見直しも必要になるでしょう。

社会保険加入の問題もあります。週20時間働けば事業所の人数規模に関係なく社保加入が実施される案が出ています。本人の給付のメリットはありますが、こちらの年収の壁の方が負担は大きいものです。

石破内閣は最低賃金時給1,500円を2029年に前倒しして引き上げたいと発表しています。最新動向を見極める必要があります。

賃上げすると労働時間削減では事業主は困ります

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