コンビニFC契約の新形態

ミニストップで新形態のコンビニ契約

 コンビニエンス・ストアのFC展開を行っているミニストップは、令和3年9月より、加盟店との契約を従来の「フランチャイズ契約」から「ミニストップパートナーシップ契約」へ見直すことになりました。

 ミニストップの公表資料では、旧FC契約は次のような計算構造でした。

〈旧FC契約〉※公表資料を一部加工

収入(店舗売上高-売上原価)
本部ロイヤルティー加盟店収入
固定費本部 利益人件費 廃棄損加盟店利益

 旧FC契約では、「店舗売上高-売上原価」(ミニストップの説明では「収入」)から、

本部へのロイヤルティー(本部収入)が控除された「加盟店収入」から廃棄損や人件費などの「店舗営業経費」を差し引くため、経費は、主に加盟店負担となっていました。

〈新契約〉※公表資料を一部加工

収入(店舗売上高-売上原価)
人件費 廃棄損固定費事業利益
  本部 利益加盟店 利益

新契約では、経費負担構造・利益配分構造を見直し、「店舗売上高-売上原価」から「店舗営業経費」「固定費」を差し引いた事業利益をお互いに配分する形となります。

批判が多かった「コンビニ会計」を見直し

 もともと、コンビニエンス・ストアの契約は、ロイヤルティーが商品廃棄損計上前の粗利益を計算基礎にしていたり、高いロイヤルティー率などが「一方的」との批判がありました(いわゆる「コンビニ会計」)。

この「プロフィットシェア」型の契約が業界に浸透するか、今後の動向が注目されます。

コンビニ本部は「記帳代行」もしている

 ちなみに、コンビニ店舗は、POSシステムによる商品管理をしているため、売上・仕入に関する帳簿の記載は、加盟店で行っておらず、本部がデータ入力・出力した書類を各加盟店へ送付しています。

国税庁では、この書類は本部が記帳代行を行っているものと変わらないとして、通常の帳簿といえる程度に整理・集計を行った上で保存している場合には、帳簿の保存があるものとして取扱うこととしています。

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令和3年改正・研究開発費税制

増減試験研究費割合「8%」が「9.4%」に

 試験研究費の税額控除制度は、よく改正が入ります。令和3年についても見直しが行われ、令和3年4月1日から開始する事業年度については、税額控除率(一般型)は次のような計算方法になります。

〈試験研究費の税額控除〉

控除率の算式
9.4%10.145%+(A-9.4%) ×0.35(上限:14%)
9.4%10.145%-(9.4-A) ×0.175(下限:2%)

A:増減試験研究費割合

 この算式では増減試験研究費割合が9.4%を超えると、控除率のカーブがグンと跳ね上がります。この9.4%(改正前8%)という数値は、政府の研究開発投資目標から持ってきた政策目標の数字です。

9.4%増で民間投資は90兆円(5年計)

政府は、令和3年から5年間で研究開発投資の官民合わせた累計額120兆円の確保を目指しています。民間企業は約90兆円が目標。単年度では14.2兆円(平成30年度)ですので、5年間、9.4%増加すれば、約90兆円が確保できることとなります。

大手の今年のR&Dは約8%増で計画

 試験研究費の税額控除は、研究開発費が大きな大企業の適用額が大きいのが特徴です(平成30年の措置法適用実績 旧総額型 5,751億円・中小企業型357億円)。毎年、日刊工業新聞社が実施している「研究開発(R&D)アンケート」の2021年版ではR&D(計画)の上位3社は次のとおりです。

会社名研究 開発費売上高 比率前期比 増減率
トヨタ自1.16兆3.9%6.4%
ホンダ0.84兆5.5%7.7%
ソニーG0.61兆6.3%16.1%

 解答した163社全体では、前年度実績比8.4%増となり、12年連続の増加です。

製薬会社のR&Dはダントツの高水準

 また、新薬開発競争が激しい製薬会社のR&D(計画)は、次のとおりとなります。

会社名研究 開発費売上高 比率前期比 増減率
武田薬品0.52兆15.5%23.7%
第一三共0.27兆26.9%17.0%
アステラス0.24兆18.3%7.8%

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