確定拠出年金(DC) 企業型と個人型

2001年に確定拠出年金法が創設

 確定拠出年金(DC)は拠出建ての年金制度です。DCは拠出された掛金が個々の加入者の持ち分として明確化され、加入者が自らの選択によって自己責任で運用し、その運用の結果得られた資産額がそのまま給付額となる制度です。加入者は投資信託等通常の貯蓄商品から自由に選択して運用します。中途引き出しの原則禁止等、資産が老後所得保障となるための要件を課すことで税制上の優遇措置が認められています。

 企業型DCは、事業主が実施する企業年金であり、事業主が掛金を拠出します。規約の定めがあるときは、加入者も事業主掛金を超えない範囲で、拠出することが可能です(マッチング拠出)。

 企業型DCの拠出限度額は、月額5万5千円です。DCの事業主掛金も、企業が法人税で損金算入(個人事業主は必要経費)の対象となり、非課税です。

 個人型DC(iDeCo)は国民年金基金連合会が金融機関に業務を委託して実施し、個人単位で加入する制度でイデコ(iDeCo)と呼ばれます。掛金は加入者が拠出します。ただし中小事業主掛金納付制度(ideCoプラス)により、企業年金を実施していない中小企業事業主が、個人型DCに加入する従業員の掛金に上乗せして掛金を拠出することも可能です。

拠出限度額は、国民年金第1号被保険者は月額6万8千円。企業年金がない第2号被保険者と第3号被保険者は月額2万3千円です。企業年金がある第2号被保険者は月額2万円です。

資産運用で老後に備え推進

令和7年度税制改正大綱で、iDeCoの掛金限度額を引き上げることとなりました。企業に勤める人がiDeCoと企業型DCを併用した場合の限度額を引き上げ、従来はiDeCoと企業型DCを併用すると掛金合計限度額は月5万5千円ですが、これを7千円引き上げて月6万2千円となります。企業型DCがない企業はiDeCoの上限月2万3千円から月6万2千円に引き上げられます。自営業やフリーランスは国民年金基金との合計額が月7万5千円と7千円引き上げられます。

DCの掛金は小規模企業共済等掛金控除となり、非課税で所得控除、運用益非課税、給仕時控除は税制優遇の大きなメリットです

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未分類

企業年金・個人年金

日本の年金制度は3階建て

 現在の年金制度は1・2階は公的年金で老後生活の基本を支え、3階の企業年金、個人年金と合わせて、多様な希望、ニーズに対応しています。企業年金、個人年金の種類や税制の優遇措置について多岐に分かれています。

1.企業年金と個人年金

企業が従業員のために実施する「企業年金」は退職金の分割とも言える外部積み立ての退職給付制度として発展してきました。一方、個人が自ら加入する「個人年金」は公的年金に加えて老後の所得を確保、補填したい人の自助努力を支援する制度です。

2023年の常用労働者30人以上の企業の調査で退職年金制度がある23.2%、退職一時金のみは51.7%、退職給付制度がないは24.8%でした。

 税法上の優遇制度があり、拠出時と運用時は原則非課税です。年金として受給する場合は「公的年金にかかる雑所得」として「公的年金等控除」を差し引いた額が所得税・住民税の課税対象です。一時金として受給する場合は「退職手当等」に該当し、勤続年数に応じた「退職所得控除」を差し引いた額の2分の1が課税対象です。

2.「確定給付型と」「確定拠出型」

企業年金・個人年金のうち「確定給付型」は加入期間などに基づいてあらかじめ給付の算定方法が決まっています。加入者が高齢期の生活設計を立てやすい反面、運用状況の悪化などで資産の積み立て不足が発生する場合があり、その時は事業主が掛金を拠出して不足分を埋める必要があります。

「確定拠出型」はあらかじめ定められた拠出額とその運用収益との合計額を基に個人別に年金給付をします。加入者個々人が運用方法を選択し、運用結果は個人に帰着し、額が決定されます。

3確定給付型年金

確定給付型企業年金(DB)は適格退職年金や厚生年金基金を承継した給付建ての企業年金制度として2001年創設されました。事業主が掛金を拠出し事業主掛金は全額非課税ですが、加入者掛金は民間の個人年金と同じ扱いで他の生命保険料と合算して年4万円を上限に生命保険料控除となります。

また、厚生年金基金は厚生年金の一部を代行していましたが、多くは他の制度へ移行が進んでいます。

以前は確定給付型が主流でしたが、今は確定拠出型が増えています

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