中小企業が取り組むべき課題の1つ
デジタルトランスフォメーション(以下DX)とは、ITを活用して事業を抜本的に変革することをいいます。従来のIT活用がコスト削減や業務効率化を主目的とする一方、DXは業務プロセスだけでなく企業活動全体のデジタル化を目指し、売上げ増や顧客体験向上といった「攻め」の要素を含む取り組みを指しています。
前提としてなぜDXに取り組む必要があるのか、その目的をはっきりした上で進めることが重要です。目的が手段化すると、システムを導入したもののうまく使われない等の事態も起こり得ます。
企業規模で違う取り組み状況
DXの進捗は企業規模で大きく異なり、中小機構が2022年に発表した調査結果によると従業員規模101人以上の企業においてDXに「既に取り組んでいる」「検討している」と回答したのは57%でしたが、20人以下の企業では13%でした。規模が小さくなるほどDXへの取り組みが進んでいません。DXを理解する人材、投資余力が乏しいという状況です。
一方、コロナ禍で加速した新しい生活様式でテレワークの導入が推進されたり、密を避けるため等、新しいビジネススタイルが誕生してきました。
DX推進の環境変化
中小企業でもDXに取り組む環境が徐々に整いつつあります。ここ数年個別業務に対応するDX関連クラウドソリューションが続々登場したことにより、個別業務ごとにスピーディーにDXを進めることが可能になりました。まず自社の数年後のありたい姿(働き方、組織図、商品、売上げ、稼ぎ方、自社の在り方等)を定義します。その後そこに向けた業務プロセスごとに課題とITソリューションの全体像を考えます。全体像を描きながら個別業務のIT化を進めていきます。コスト削減できることからIT化を導入しましょう。
優先度の高いものから導入を進めていくことで投資効果も高められるでしょう。そのあと業務効率によって生み出した時間を今ある顧客データ、商品データなどをシステム化で分析し、DXを進め攻めの営業で売上げ増につなげ、会社の利益に結び付けていけることがDXの目的でしょう。
社内に蓄積したデータを活用し経営の未来につなげるDXを進めることは企業のこれからの課題です |
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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)
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