M&A事業承継・引継ぎ補助金

今年の事業承継・引継ぎ補助金の公募

経済産業省は、9月30日に「事業承継・引継ぎ補助金」の公募を開始しました。

この補助金は、事業承継やM&A(事業再編・事業統合等経営資源を引き継いで行う創業を含む)を契機とした経営革新等への挑戦者や、専門家を活用してM&Aによる第3者経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業者等を資金的に支援するものです。

資金支援の内容

補助金は、先の「経営革新」と「専門家活用」に分かれています。

経営革新(経営者交代型、事業再編・事業統合等)に於ける経費(設備投資費用、人件費、店舗・事務所の改築工事費用等)に対しては、補助率50%、補助上限額250~500万円(別途廃業を伴う上乗せ額200万円)で、補助交付されます。

専門家活用(M&Aによる経営資源の譲渡・譲受)に於けるM&A支援業者に支払う手数料やデューデリジェンスにかかる費用等に対しては、補助率50%、補助上限額250万円(別途廃業を伴う上乗せ額200万円)で、補助交付されます。

今年の公募の特殊なところ

 今年から、登録M&A支援機関という制度が創られたことにより、M&Aでの専門家(FA・仲介業者)に支払う手数料は、登録M&A支援機関でなければ、補助金の交付の対象にならないことになりました。

なお、原則として常時使用する従業員1 名以上の引継ぎが行われていないと、要件不充足となります。

これ以外のデューデリ等の経費については、申請して事務局に認められることが前提で補助対象となります。

それから、相見積もりの要求がうるさいことも留意点です。

申請と決定のタイミング重要

 また、タイミングも大事で、事業承継・引継ぎ補助金の交付申請をして、交付決定された後に、補助金に係る契約をしたり、発注をしたりしなければなりません。交付決定より前に、事前着手してしまったものは、交付対象外になります。

電子申請のみの受付

申請は、経済産業省が運営する補助金の電子申請システムを利用しての電子申請が必要となります。

従業員引継ぎを伴わない不動産M&Aは補助の対象外だね。

また、その前提として、gBizIDの取得が必要です。

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新登場! M&A支援機関

M&A支援機関登録制度の創設

中小企業のM&A促進戦略として中小企業庁が4月に公表した「中小M&A推進計画」では、M&A支援機関に係る登録制度の創設を唱っていました。

全国的に大規模・中規模向けのM&A支援機関が活動しているが、M&A支援機関の支援の妥当性を判断するための知見が不足している中小企業が存在する状況下での、M&A支援機関の質を確保する仕組みを創らなければならない、としていました。

制度創設日は、改正中小企業等経営強化法施行日の2021年8月2日です。

登録可能な対象者

経産省の「登録制度の概要」によると、M&A支援機関とは、「中小M&Aを支援する機関」であり、ファイナンシャルアドバイザー業務(FA・片方代理)又はM&A仲介業務(双方代理)を行う者です。

具体的には、M&A専門業者(FA、仲介業者)、金融機関、商工団体、士業等専門家、M&Aプラットフォーマー、事業承継・引継ぎ支援センター等が登録してくれることを予定しているようです。

第一次公募による登録状況

公表された登録M&A支援機関数は、2021年10月15日現在で2278件です。うち、法人は1700件、個人事業主は578件です。また、上位5業種は、M&A仲介専門業者が544件、FA専門業者が394件、税理士が517件、公認会計士が233件、地方銀行・信金・信組が125件です。

M&A契約に深く長く関わるM&A支援機関登録で、税理士・公認会計士が33%をも占めているということには、驚きです。

登録要件は?

①「中小M&Aガイドライン」の遵守を宣言し、遵守すること

②登録要件を充足している旨を自社HPで掲載すること

③登録要件を充足している旨を顧客に書面で事前説明すること

④毎年度、実績報告を提出すること

 なお、登録をしたものの、特段合理的な理由なく支援実績が芳しくないなど、一定の要件に該当する場合には、登録の継続を認めず、登録取消しとなります。

紛らわしいけど、「経営力向上計画」作成協力者としての経営革新等支援機関とは異なります

また、登録されたM&A支援機関に対する苦情情報提供受付窓口を設けて、公開監視による制度充実をはかる予定になっています。

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