事業における火災保険の重要性

 最近、火災のニュースが多いですね。

自社の店舗や工場からの失火を防ぐことは勿論ですが、隣家などからの「もらい火」の恐れもあります。この場合、明治時代からある失火責任法という法律により、重大な過失がない限り、賠償責任を問えません。自社の火災保険で手当することになります。

補償対象は、建物や設備、在庫品の損害や、消火活動にかかった費用、休業損失をカバーしたものなど契約により様々です。

<一般的な保険金の請求書類>

・保険金請求書や事故報告書など (加入している保険会社所定のもの) ・罹災証明書(市町村が発行) ・工事見積書(建設業者・修理業者) ・被害の写真、登記簿謄本、印鑑証明など

法人税の「保険差益の圧縮記帳」とは?

このような保険金が入金されたときに、法人税が課税されてしまうと、代わりの資産を取得する金額が目減りすることになり、事業の継続に関わります。そのため、法人税法では、保険金が滅失した固定資産の簿価を上回っている場合には、「保険差益の圧縮記帳」という制度が用意されています。

この制度は、保険差益(保険金-経費-帳簿価額)を、滅失した資産の代わりに取得する資産の取得価額から減額(圧縮)し、圧縮限度額までの金額を所得金額から控除するというものです(一時的な課税の繰延べ)。

<適用要件>

・ 固定資産の滅失等により保険金等の支払を受けていること ・ 保険金等により代替資産(滅失資産と同一種類の固定資産)を取得すること ・ 圧縮記帳の経理処理を行っていること(損金経理又は積立金経理)

<具体例>

 国税庁HPには次のような具体例が挙げられています。

・滅失資産の直前簿価 1,000万円(A) ・滅失により支出した経費 50万円(B) ・保険金等の額 2,000万円(C) ・取得した代替資産の取得価額 3,000万円(D)

この場合、保険差益の額は、差引保険金(C-B)から滅失資産の簿価(A)を差し引いた950万円となります。この例では、差引保険金(C-B)が代替資産の取得価額(D)にすべて充てられているため、保険差益の額がそのまま圧縮限度額となります。

圧縮記帳は「課税の繰延べ」の制度です。

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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)

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