職場に潜む無意識の法令牴触
退職時は元の勤め先とは円満に終わりたいもの。ところが場合によっては再出発を気持ちよくできないトラブルになるケースが後を絶ちません。
そのような場合を見てみます。
①転職して前職企業の重要データの持ち出し、営業秘密の漏洩をするケース。不正競争防止法違反になるかもしれません。
また、同業他社に転職し前職の顧客リストを持ち出して活用したケースも同法に抵触します。
営業秘密以外でも前職で知り得た情報の持ち出しは問題になる場合があります。就業規則や退職時の誓約書で外部への情報漏洩を禁じられていることが多く、前職企業への秘密保持義務が生じます。
②海外の研修後一定期間の退職に対してかかった費用を会社が請求した。労働基準法第16条に違反します。業務に関連する研修であれば返還命令はできません。
③転職した元社員の勤務評価を転職先企業から尋ねられ、たとえ良い評価だとしても勝手に答えてはなりません。個人情報の取り扱いで本人の同意が必要です。もちろん同意なく調査会社に依頼する行為も職業安定法に抵触することがあります。働きぶりや周囲の評価について前職に尋ねるのは同法に抵触する可能性があります。
その他うっかり違法
④試用期間の解雇
⑤育休明け社員の本人に確認せず楽な業務への変更は育児介護休業法に抵触の可能性。
⑥妻が妊娠したと報告を受けた上司、祝福をしただけで育児休業等の説明をしない。同じく育児介護休業法に抵触
⑦年俸制で残業代込みとしている(残業がついているのか表向きわからない)。
⑧パワーハラスメントで「昔はその程度は許された」と古い価値観を押し付けたり、
取引先からのセクハラは「我慢して」と言うのも違法性あり。
⑨本人の病気やLGBTなどはうっかり他言しない。必要以上に本人に聞かないこと。
以上のように無意識に行ってしまっている慣例的な言動について日頃の行為をふりかえってみましょう。
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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)
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