一般のふるさと納税利用者には影響なし
個人の所得・控除によって決まる控除上限金額までの寄付なら、自己負担が2,000円で返礼品が貰えるふるさと納税制度。自治体は総務省にふるさと納税の指定団体であると認定されないと、その自治体への寄附について、ふるさと納税制度を利用した寄付金控除が受けられない仕組みになっています。
普段ふるさと納税をするにあたって、ポータルサイト等を利用して寄附をしている方が圧倒的に多いと思いますが、その場合は指定されていない自治体は出てこないような仕組みになっていますので、利用者目線で言うと、気にならない部分かもしれません。
2年前の基準不適合もアウトになる
令和5年度税制改正で「前指定対象期間についても指定取り消し事由になる」という改正が行われました。これはふるさと納税の「寄附のお礼の品の価値は寄附額の3割まで」等のルールを逸脱している場合、総務省はふるさと納税の指定団体の取り消しが行えるのですが、改正前は指定対象期間の10月1日から翌年9月30日までの間の基準不適合については、2年間のふるさと納税指定がされませんでした。ただ、10月1日以前の不適合を理由に指定取り消しができなかったため「2年以内の不適合を理由とした指定取り消しが可能」というものに改めました。
ふるさと納税をめぐる立場と意見
過去には指定取り消しについて自治体と総務省が最高裁まで争い、遡及適用は違法と判断が下されています。今回改正が入った背景には、今までの自治体と総務省の応酬があるのは確かです。
ふるさと納税制度自体、お得な制度として多くの人が利用する半面、都市部にとっては税収の減額となるため、制度の見直しを求めている自治体もあります。また「お礼の品のコスト分、国全体で見れば税が減ってしまう」という論調も見られます。もちろんふるさと納税が地方活性化の助けになったという声もあります。
今後もふるさと納税については、様々な立場の意見を反映した変更が加えられそうです。
昔は「お上にばれにくい土日だけギフト券がお礼の品として追加される自治体」なんていうもありました。 |
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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)
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