利用率が上がってきたふるさと納税
個人の所得や控除によって決まる控除上限金額までの寄附なら、自己負担が2,000円で返礼品がもらえるふるさと納税制度。令和4年に総務省より発表された現況調査によると、控除適用が行われた人数は約740万人となり、この控除適用人数から類推すると、ふるさと納税の全国利用率は約13%となるようです。
さて、冒頭で言っている「控除上限金額」とはどういうものなのでしょうか。今までふるさと納税をしたことがない方向けに解説いたします。
控除上限金額ってなに?
「控除上限金額」とは、ふるさと納税だけに許されている、住民税をたくさん引いてくれる税額控除ができる上限の額です。
ふるさと納税の控除には内部に3パターンの控除が含まれています。
①所得税の所得控除(上限は所得の4割)
②住民税の税額控除本則分(上限は所得の3割)
③住民税の税額控除特例分(上限は住民税所得割額の約2割)
この3種類の控除の組み合わせで、寄附額の全体から2,000円のみを差し引いた分が税額から引かれるようになっています。
超えて寄附しても良いのか?
ふるさと納税のポータルサイト等にあるシミュレーションで、控除上限金額は算出できます。この控除上限金額までの年間合計寄附額であれば、基本的には自己負担は2,000円で済みますが、控除上限金額を超えて寄附をしてしまった場合はどうなるのでしょうか。
控除上限金額を超えた部分の金額は前述した③の住民税の特例控除が受けられないため、自己負担は徐々に増えてゆきます。ただ、少しだけ控除上限金額を超えて寄附をしてしまったとしても、その超えた部分だけが超過分として控除の効率が減るのですから、例えば控除上限金額が69,000円と出て、7万円寄附でもらえるお礼の品が欲しい、といった場合は7万円寄附しても、自己負担は3,000円弱となりますから、3,000円以上の価値のあるお礼の品をもらえれば十分にお得、ということになるのです。
ただし、実際の控除上限金額は寄附する当年の所得や控除によって決まるのでご注意ください。 |
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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)
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