ひどすぎた国外居住親族の扶養控除の適用

 従前の扶養控除の基準は、「合計所得金額が38万円以下である者」と規定されていたため、“国外で所得がある国外居住親族を何人も扶養控除の対象とする”という“節税手法”が、幾つかの国の外国人コミュニティーで喧伝され、悪用されてきました。

 こうした悪用に対しては、「親族関係書類」や「送金関係書類」の提出等を必須とするなどの対策が取られてきました。しかしながら、「送金金額の基準がなかった」ため、少しでも送金していて、その送金が「国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払い」であれば適用忌避は困難でした。

令和2年税制改正で金額基準が規定された

 これに対し、令和2年の税制改正で、「年齢30 歳以上70 歳未満の非居住者には生活費又は教育費に充てるための支払は38 万円以上」という基準が設けられ、このような“節税手法”にも現実的な制限が加えられました。しかしながら、「この改正は、令和5年1月1日以後に支払われる給与等及び公的年金等並びに令和5年分以後の所得税について適用する」という経過措置があります。そのため、令和4年までは、少ない金額でも送金があれば国外居住親族を扶養控除の対象としなければならないのかという給与計算における不安が残ります。

年末調整で会社が取るべき対応

 令和4年までは金額基準がないため、少額の送金であっても扶養家族として申告してくる従業員の年末調整にどう対応すべきでしょうか? 後日、税務調査で年末調整時の扶養控除の不正確計算が問われれば、過少申告加算税などのペナルティーが会社負担となってしまいます。こうした事態は避けなければなりません。

 まずは、本人に「これは何のための送金なのか?」「本国でのひと月当たりの生活費はいくらか?」を聴取し、生活を支えるための送金であると会社が容認できる説明を受けられるのであれば、扶養の対象としてもよいでしょう。これは会社の判断です。しかしながら、金額が極端に少なかったり、まだ働いていたりするような親族の場合は、経過措置中とはいえ、38万円という新基準を尊重する方が無難です。

 従業員からは苦情が出るかもしれませんが、万一の時に会社が罰金を被らないようにするためであり、まだ確定申告による控除の道が残されていることを本人に説明してこの問題は回避する方が良いでしょう。

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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)

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