中東情勢は「対岸の火事」ではない

中東をめぐる地政学的緊張が長期化しており、ホルムズ海峡周辺の緊張は日本への原油供給にも影を落としています。こうした情勢は光熱費・物流コストの上昇や原材料の調達遅延という形で、中小企業の経営にも直結します。地震や台風だけでなく、地政学リスクもまた「いつ顕在化するか分からない」リスクである点では同じです。  いざ事業が止まったときに慌てないためにも、今こそ事前の備えとして事業継続に向けた計画の策定が求められています。

認定取得で広がる具体的な支援

「事業継続力強化計画」は、中小企業等経営強化法に基づき、自社の防災・減災対策を計画書にまとめて国の認定を受ける制度です。認定を受けると、低利融資・信用保証の別枠追加・複数の損害保険会社による保険料割引といった金融面の支援が受けられます。さらに、ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・中小企業省力化投資補助金など主要補助金の申請において加点措置を受けることができます。補助金採択を検討されている事業者の方にとっては、この認定が「申請前に手配すべき1枚のカード」となります。

防災設備の投資で16%の特別償却を活用

補助金を活用しない場合は特別償却も検討できます。認定を受けた事業者が、認定日から1年以内に自家発電設備・止水板・耐震装置などの防災・減災設備を新たに購入した場合、取得価額の16%を特別償却として税務上の損金に算入することができます。たとえば200万円の自家発電設備を導入すれば32万円を特別償却として計上できます。ただし、認定前に購入した設備や補助金を活用して取得した設備は対象外です。また、中古品や太陽光パネル・蓄電池も対象外ですので、導入を検討される際は注意が必要です。

「備えがない」こそ最大のリスク

「計画を立てたいが、どこから手をつければよいか分からない」という声をよく耳にします。そうした事業者のために、国の無料の専門家派遣による計画策定支援を実施しており、申請の負担を大幅に軽減することができます。中東情勢・地震・台風・感染症と、経営を脅かすリスクが複合的に発生する時代、申請期限は設けられていませんが、補助金申請を控えている事業者には早期認定が加点につながります。

何事も備えあれば憂いなしです。計画的に準備を進めましょう!

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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)

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