ベビーシッター助成金で「税金爆死」
国や自治体は平成30年ごろから、待機児童対策や働き方改革の一端として、ベビーシッター利用支援事業を展開しています。ベビーシッター料金を助成してくれるものであり、保育園の決まらない、急な病気等で育児に問題が発生したなど、子育てにおける不測の事態への力強い支援と見る向きもありました。
ただ、「助成された国や自治体の負担分は雑所得としてカウントされる」という課税の仕組みだったので、割引された低額な利用料で子供を預けたものの、後にかかってくる税金の高さに辟易する状態となるため、この現象はSNS上などでは「税金爆死」という悪名で囁かれていました。
令和3年度改正で非課税へ
今年度の税制改正で国や地方自治体の実施する子育てに係る助成等は非課税となりました。昨今の新型コロナウイルス感染症に伴う休園・休校に対応するため、ベビーシッター料金等の助成について特例で非課税となっていた措置を、そのまま継承する形となります。
また、ベビーシッターの利用料に対する助成の他にも「認可外保育施設等の利用料に対する助成」「一時預かり・病児保育などの子を預ける施設の利用料に対する助成」「各助成と一体として行われる生活援助・家事支援・保育施設等の副食費・交通費等への助成」に関しても、非課税となります。
国と各自治体で助成内容に軽微な差がある
内閣府では「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」を実施しています。この制度は、企業側から手続きを行い、企業が割引額の3%(大企業は8%)を負担することによってサービスが受けられる制度です。また、各自治体は個人向けにベビーシッターの助成事業を行っています。
企業主導型ベビーシッター利用者支援事業に関しては、企業が利用申し込みをする必要があります。負担額も少なく手間もわずかなため、子育て世代への福利厚生の一つとして、導入を検討してみるのも良いかもしれません。
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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)
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