厚生年金保険加入中の死亡

 家族が亡くなった時、死亡した人に生計を維持されていた遺族は遺族年金を請求できます。例として厚年年金保険加入中の夫(43歳)が死亡、妻43歳、子10歳が残された場合で見てみます。

 夫が被保険者期間中の死亡の場合、遺族厚生年金が支給され、さらに子のある配偶者として遺族基礎年金も支給されます。

この両方を受けられる遺族は、被保険者が死亡した当時、死亡していた人に生計を維持されている必要があります。

生計維持要件とは

  • 生計同一要件

ア、住民票上同一世帯に属していること

イ、住民票世帯は異にしているが住所が住民票上同一である

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ウ、住所が住民票上異なっているが、現に起居を共にし、かつ消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき。

のいずれかに該当していること

  • 遺族の収入要件は

ア、前年の収入が年額850万円未満

イ、前年所得が年額655万5000円未満

ウ、一時的な所得がある場合は、一時的な所得を除いた後、前年の収入が年額850万円未満又は前年の所得が年額655万5000円未満である。

エ、アからウの要件を満たさないが、定年退職などの事情により概ね5年以内に収入が850万円又は所得が655万5000円未満になることのいずれかに該当していれば収入要件は満たしています。

共働きで被扶養者でなかったとしても遺族厚生年金は受給できます。遺族基礎年金は死亡した人の子と生計を一にしている場合受給できます。

今回のケースでは両方が受給できます。

妻の遺族年金の将来は

 妻の遺族基礎年金は子がいることが前提ですが、子が18歳になった年度末の3月31日に達したときに消滅します。遺族基礎年金が消滅しても65歳になるまで中高年寡婦加算(年額58万6300円)が支給されます。遺族厚生年金は妻が再婚しない限り一生涯支給されます。ただし65歳になると妻の老齢厚生年金と老齢基礎年金が支給され厚生年金部分は調整されます。

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税理士高野好史事務所(栃木県宇都宮市)

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